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JapanRx / 抗精神病薬と熱中症

抗精神病薬と熱中症

抗精神病薬は、体の温度を調節する能力を損なう可能性があり、暑い気候下では体温が上がりすぎて熱中症につながる可能性があります。

抗精神病薬は、統合失調症、双極性障害、大うつ病、パーソナリティ障害、認知症による興奮など、さまざまな精神状態を治療するために使用されます。

ただし、一部の抗精神病薬は、持続的なしゃっくりやバランスの問題なといった無関係な問題の治療にも使用されます。

 

統合失調症と熱不耐症

研究の1つでは、健康な対照群と比較して、投薬治療を受けている男性の統合失調症患者の運動に応じた体温の違いを調査することを目的としました。

興味深いことに、統合失調症の患者は、運動を開始する前に、健康な対照と比較してはじめは皮膚温度がはるかに低かったものの、深部体温に違いはありませんでした。

運動すると、体温は対照群と比較して患者群で最も速くそして最も高く上昇しました。

休息の間の体温は患者群と比較して対照群で最も低下し、患者群が全体を通して一貫したより高い体温であったことが示されました。

さらなるケーススタディでは、実際に抗精神病薬と熱中症との関連性も示されています。

49歳の男性が2004年の夏に熱中症で入院し、同じ夏に2度目の熱疲労で再入院しました。

この男性は統合失調症と糖尿病を患っており、ベンズヘキソール、クロルプロマジン、デカン酸ズクロペンチキソールなどの抗精神病薬を服用していました。

医師による結論では、熱中症は彼の状態そのものによるのではなく、彼が服用していた薬剤によるものであったというものでした。

 

抗精神病薬と体温調節/熱不耐症の障害

熱疲労は熱中症によって引き起こされます。それは最も一般的な熱に関連した健康状態であり、通常はに生命を脅かすものではなく自宅で治療が可能です。

これは、気温が高い時に屋外で身体活動をしている人に発生する傾向があります。

症状は通常短時間で、神経過敏、急に脈拍や心拍が速くなる、急速な呼吸、大量の発汗、めまい、吐き気、けいれんなどが発生します。

熱中症は、40℃を超える過度の体温を特徴とする深刻な急性疾患です。

熱中症は誰にでも発生する可能性があり、慢性状態や併存症のある人や抗精神病薬を服用している人ではそのリスクが非常に高くなります。

症状には、錯乱、無気力、昏睡、および急速な脈拍や心拍を伴う発作などがあります。

では、抗精神病薬治療を服用している人で体温の上昇や熱中症につながるものは何なのでしょうか。

多くの抗精神病薬はある程度の抗コリン作用があり、これらは発汗を抑制し、体からの熱の放出を減少させる可能性があります。

通常、これはそれほど問題にはなりませんが、夏の高温と重なると体からの熱の放出メカニズムが著しく損なわれ、熱中病につながる可能性があります。

 

暑い日にはどうすればいいか

多くの抗精神病薬は体温調節機能を損なう可能性があり、主に高温による体温の上昇や熱中病にかかりやすくなります。

そのため、抗精神病薬を服用している人は、暑い時期には、熱疲労と熱中症の両方のリスクを最小限に抑えるために細心の注意を払う必要があります。

 

熱疲労を最小限に抑えるためにできる具体的なことは次の通りです。

1日の一番暑い時間帯には過度の運動を避ける

日焼け止めクリームやローションの塗布

脱水症状を防ぐために水分摂取量を増やす(カフェインとアルコールは避ける)

軽装でいる–熱を吸収しない色と着心地の両方で心がける

糖分と塩分は適切な量で摂取し、1日を通して定期的に食事を摂る

 

要約すると、さまざまな状態の治療に使用される抗精神病薬は、特に暑い時期に、個人を熱不耐症や熱疲労、さらには熱中症にかかりやすくする可能性があります。

したがって、こういった薬を服用している人は、暑い時期には熱疲労を発症するリスクを最小限に抑えるように注意する必要があります。



【以下のリンクより引用】

Antipsychotics and Heat Stroke

News Medical Net

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