10代の肥満は1型糖尿病を引き起こす可能性がある

2022年6月6日（ヘルスディニュース）-　肥満は2型糖尿病のよく知られた危険因子です。

現在、大規模な新しい研究は、肥満は、はるかに少ない1型糖尿病にも寄与するという証拠を追加しています。

約150万人のイスラエルの10代の若者を対象としたこの研究では、肥満の人は、通常体重の人と比較して、成人期の始めまでに1型糖尿病を発症する可能性が2倍高いことがわかりました。

専門家は、この調査結果は、肥満が1型糖尿病の危険因子と見なされるべきであるという証拠を追加すると述べました。

1型糖尿病の研究に資金を提供している非営利団体であるJDRFの研究担当シニアディレクターであるフランク・マーティン氏は、次のように述べています。

「多くの理由があり、健康的なBMI(ボディマス指数）を持つことが重要ですが、そしてこれはさらに別のものです。」

この研究に関与していなかったマーティン氏は、肥満と1型糖尿病に関する過去の研究は主に子供に焦点を合わせていたと述べました。

現在、これらの研究結果は、10代の肥満と成人期の1型糖尿病とを関連付けています。

糖尿病には2つの主要なタイプがあります。

2型糖尿病は断然、最も一般的です。これは、体がホルモンであるインスリンを適切に使用できなくなったときに発生します。

インスリンは、糖を食物から体の細胞に移動させて燃料として使用するという重要な役割を果たします。

高齢と肥満は、この病気の主要なふたつの危険因子です。

対照的に、1型糖尿病は自己免疫疾患です。

これは、膵臓のインスリン産生細胞に対する異常な免疫系の攻撃に起因し、多くの場合、子供や10代の若者の間で診断されます。

どちらの糖尿病の形態でも、細胞が糖分を取り込むことができないため、血流に糖分が蓄積します。しかし、2つの糖尿病の治療方法は異なります。

2型糖尿病の人は、健康的な食事、運動、減量で対処できる可能性があります。経口薬が必要になることもよくあります。

一方、1型糖尿病の人は、毎日の注射または体に取り付けられたポンプを使用して、生き残るために合成インスリンを服用する必要があります。

新しい研究の主任研究員であるギラッド・ツイッグ博士は、肥満がなぜ1型糖尿病のリスクを高めるのかは完全には明らかではないと言います。

しかし、一般的に考えられていることは、1型糖尿病に対する遺伝的感受性を持つ一部の人々では、肥満が病気の発症を引き起こす可能性があるということです。

ツイッグ博士によると、イスラエルのテルアビブ大学の正確なメカニズムにはさまざまな理論があります。

たとえば、肥満は体内の慢性炎症を助長し、1型糖尿病を特徴付ける異常な免疫反応の一因となる可能性があります。

肥満には、ビタミンD欠乏症や腸の細菌構成の変化など、免疫機能を損なう可能性のある他の影響もあるとツイッグ博士の研究チームは述べています。

マーティン氏は、「関与するメカニズムは1つだけではない可能性が高いです。」と述べました。

彼は、この研究結果は1型糖尿病の原因についての一般的な考え方と一致していると述べました。

遺伝的脆弱性があると1つ以上の環境曝露が免疫系を刺激して体に逆らうようになります。

マーティン氏は例としてウイルスを指摘しました。

研究は特定のウイルス感染を1型糖尿病のリスクの増加に関連付けました。

これらの最新の研究結果は、ニューオーリンズで開催された米国糖尿病学会の年次総会での発表に合わせて、6月5日にDiabetologia誌に掲載されました。

研究者は、1996年から2016年の間に兵役のための健康診断を受けた16歳から19歳の140万人以上のイスラエルに住む10代の若者のデータを使用しました。

その期間中に、777人が1型糖尿病と診断され、その平均年齢は25歳でした。

ツイッグ博士のチームは明確なパターンを見つけました。

この病気と診断されるリスクは、10代の間に体重と並行して上昇しました。

通常の体重の10代と比較して、太りすぎの人のリスクは54％高く、肥満の人のリスクは2倍でした。

研究者たちは、米国の子供と10代の若者のほぼ60％が35歳までに、そのほとんどが10代までに肥満になるだろうと指摘しました。

肥満のレベルが上昇するにつれて、研究結果は、1型糖尿病の増加が予想されることを示唆しています。

この研究は、肥満と1型糖尿病を結びつける最初の研究ではありません。

しかし、過去の研究は小規模であり、主に子供に焦点を当てているとツイッグ博士は述べました。

「私たちの研究は、一般の人々において、青年期の肥満は1型糖尿病に関連していることを示しており、それによって子供時代と青年期を通して健康的な体重を維持することの重要性を強調しています。」とツイッグ博士は述べました。

1型糖尿病は子供を襲いますが、症例の約半分は成人で診断されるためこれは重要なポイントであるとマーティン氏は述べました。

1型糖尿病のリスクが高い若者は、健康的な体重を維持することに特に注意する必要があるとツイッグ博士は述べました。

この病気の家族歴は危険因子ですが、そうでない人も罹患することがあるのです。

マーティン氏によると、一般的には300人にひとりの確率であることと比較すると、1型糖尿病患者が一等親の血縁者にいる場合、20人にひとりの割合でこの病気を発症する可能性があります。

【以下のリンクより引用】

Obesity in Teen Years Might Trigger Type 1 Diabetes

Healthday

当社関連商品カテゴリー：糖尿病