2020年、飲酒は世界中で740,000件の癌症例に結びついた
2021年7月14日(ヘルスディニュース)- これでは乾杯できません。
飲酒は2020年に世界で740,000件の新規の癌症例に関連しており、その年に新たに診断されたすべての癌症例の4%に相当します。
「この傾向は、多くのヨーロッパ諸国で一人当たりのアルコール消費量が減少しているものの、中国やインドなどのアジア諸国、およびサハラ以南のアフリカで飲酒量が増加していることを示唆しています。」
と研究の共著者であるフランスの国際がん研究機関に所属するハリエット・ルンゲイ博士は述べました。
「さらに、COVID-19パンデミックが一部の国での飲酒率を増加させたという証拠があります。」
と彼女は付け加えました。
ルンゲイ博士や他の中毒専門家は、パンデミックの間に始めた飲酒が永続的な習慣につながる可能性があることを心配しています。
この研究は、7月13日にThe Lancet Oncology誌に掲載されました。
「私たちの研究は、癌の発生率に対しての飲酒のかかわりは比較的低レベルであることは強調していますが、公共での飲酒といった小さな変化が将来の癌の発生率の増加に影響を与える可能性があることも示唆しています。」
とルンゲイ博士はジャーナルのニュースリリースで述べました。
男性はアルコール関連でのがん症例率の77%を占め、対して女性は23%です。
食道がん(189,700件)、肝臓がん(154,700件)、乳がん(98,300件)が最も多く、続いて結腸癌と直腸癌、喉頭癌、咽頭癌といった癌が続きました。
大量飲酒や危険な飲酒はそれぞれ47%と39%で、最も多くの症例の原因となり、1日2杯程度の適度な飲酒は症例の約14%を占めました。
地域別では、アルコール関連のがんの発生率が最も高かったのは東アジアと中央および東ヨーロッパ(6%)でしたが、最も低い発生率は北アフリカと西アジアで、どちらも1%未満でした。
国別では、モンゴルが最も高く(10%)、クウェートが最も低い(0%)結果となりました。
他の国での発生率と症例数は次の通りです。
●米国:3%
●英国、ブラジル、ドイツ:4%
●インド、フランス:5%
●中国:6%
「すべての飲酒にはリスクが伴います。」
と、研究の共著者である、カナダのトロントにある中毒精神衛生センターの上級科学者であるユルゲン・レーム博士は述べました。
「そして飲酒関連の癌では、すべてのレベルの消費が何らかのリスクと関連しています。」
と彼は述べました。
飲酒は、体内で有害な化学物質の生成を促進するDNA損傷を引き起こし、ホルモンの生成に影響を与えることにより、癌の発症に寄与する可能性があります。
飲酒はまた、タバコや他の物質の発ガン性効果を悪化させる可能性があると研究者らは説明しました。
ルンゲイ博士は、次のように述べました。
「政策立案者と一般市民が、アルコール消費と癌リスクとの関連についての認識を早急に高める必要があります。アルコールの流通を制限したりアルコール製品の健康警告の表示、販売禁止などの公衆衛生戦略を行うことで、アルコールによる癌の発生率を下げられる可能性があります。」
ヨーロッパでのアルコール摂取量の減少につながった税金と価格設定方針は、他の世界の地域でも実施される可能性があると彼女は付け加えました。
【以下のリンクより引用】
Alcohol Tied to 740,000 Cancer Cases Worldwide in 2020
Healthday