2型糖尿病および乾癬患者に対するメトホルミンの安全性
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism誌に発表された研究結果によると、メトホルミンは糖尿病および乾癬患者に安全に処方することができます。
メトホルミンは乾癬を悪化させる可能性があるといういくつかの研究報告がありますが、無作為化プラセボ対照臨床試験では乾癬患者におけるメトホルミンの有益な効果を示しています。
しかしながら、これらの研究での症例数は限られており、かつ管理された状況下で行われていました。
今回の研究において、研究者らは、全世界のレトロスペクティブコホート研究において、2型糖尿病および乾癬患者におけるメトホルミンの安全性を評価し、この集団において、メトホルミンによる長期治療がどのような影響を及ぼしたかを観察しました。
1997年から2013年にかけての2型糖尿病患者および乾癬患者を特定するために、台湾の国民健康保険研究データベースを使用し、糖尿病の管理にメトホルミンを使用しているかどうかによって層別化しました。
研究のエンドポイントは、全死因死亡、乾癬(重症乾癬を含む)による入院、および再入院のためのあらゆる原因が含まれていました。
最終的な分析では、メトホルミン群には5,520人の患者を含み、そして非メトホルミン群には3,062人の患者が含まれていました。
全死因死亡リスク(ハザード比[HR]、1.08、95%CI、0.90-1.30)、重症の乾癬(HR、0.95、95%CI、0.80-1.09)、乾癬関連入院(HR、1.32; 95%CI、0.90-1.93)に有意差は見られませんでした。
1日80回以上の投与量で治療された患者、または、1日1000mg以上処方された患者においてさえも、用量依存性分析において重症の乾癬および乾癬に関連した入院のリスクの有意な増加もまたありませんでした。
「この研究は、安全上の懸念なしにメトホルミンを処方するために[糖尿病と乾癬の患者]を治療する医師のための参考として役立ちます。」と、研究者は記しています。
【以下のウェブサイトより引用】