2型糖尿病および腎疾患患者ではスルホニル尿素薬よりもメトホルミンが心血管疾患リスクの低下に関連
JAMAに掲載された最近の研究によると、メトホルミンを服用している2型糖尿病で腎機能障害のある患者は、心臓発作、脳卒中、一過性脳虚血発作、心血管死などの主要な有害心血管イベント(MACE)のリスクが、スルホニル尿素薬を服用している人と比較して低いことがわかりました。
この後ろ向きコホート研究で、研究者は2001年から2016年にかけて、米国退役軍人健康管理局内で治療を受けていた2型糖尿病患者で腎機能が低下した約50,000人の米軍退役軍人の医療記録情報を分析しました。
これらの患者のうち、24,679人がメトホルミンを服用しており、24,799人がスルホニル尿素薬を服用していました。
研究者は、メトホルミンを服用していた人では1,048件の副作用が見られ、スルホニル尿素薬では1,394件であったことを発見しました。
これにより、メトホルミンを服用している患者は、スルホニル尿素薬を服用している患者と比較して、MACEのリスクが20%低下し、1,000人年あたりのイベントが5.8件減少しました。
「最近まで、糖尿病および腎機能障害の患者におけるメトホルミンの使用は、安全性の懸念により警告されていました。」
と、バンダービルト大学医療センターの医学および小児科の准教授であるクリスチャン・ルーミー医学博士は述べました。
しかし、これらの結果は、薬剤師と医師が現在の推奨事項を再検討する必要があることを示しています。
「この研究で実証されたメトホルミンの有効性は、これらの患者に対する処方慣行についての潜在的な変化をさらに支持するものです。これらの結果により、医療提供者は軽度から中等度の腎疾患において、メトホルミンの使用を継続することを奨励するものと確信しています。」とルーミー博士は述べました。
米国では3000万人以上の成人が2型糖尿病を患っています。
そしてこれらの患者の20%に腎機能障害が見られます。
薬剤師は、これらの患者、特に有害な心血管イベントを経験するリスクが高い患者におけるメトホルミンの使用について医師と話し合う必要があります。
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APhA