2時間脱水になっただけでも体や脳は影響する
大きな熱波が米国を襲っていますが、脱水症については知っておくべきことがあります。
この夏、米国の多くの地域に影響を与えている記録的な猛暑のため、専門家は脱水症状の隠れた危険性について警告しています。
現在、新しい研究では、脱水症状は身体的な障害だけではないことがわかりました。
それはまた、認知機能の低下につながる可能性があります。
アメリカ・ジョージア州アトランタにあるジョージア工科大学が行った最近の研究によると、水分を摂らずに、または食事をせずに行うほんの数時間の激しい運動が集中力に大きく影響する可能性があります。
研究者らは、詳細な部分に注意を払う必要があるテストや単調なテストを受けた脱水状態の人が最も影響を受けたことを発見しました。
複雑な問題解決、調整、注意などの機能が最も影響を受けましたが、迅速な対応を伴う活動は影響を受けませんでした。
ジョージア工科大学のバイオサイエンス学部教授であるミンディー・ミラード・スタッフォード博士は、次のように述べています。
「脱水症状が悪化したとしても、単純作業では最も影響を受けませんでしたが、注意を必要とする作業ではかなり影響を受けました。」
著者らは、長い会議、車の運転、または熱い工場内での単調な仕事に集中することには注意が必要であると述べています。
しかし、脱水状態に直面すると、これらの能力は低下し、そして、認知力の低下が身体に害を及ぼす可能性があります。
何がわかったのか
暑さが認知にどのように影響するかを理解するために、研究者らは413人の参加者があった33件の査読付き研究論文からのデータを分析しました。
研究チームは、実行機能、注意力、運動協調、および特定のタスクに対する反応時間のテスト結果を調査しました。
参加者がより多くの水分を失うと、注意関連のタスクの間により多くのエラーが見られました。たとえば、ボタンをさまざまなパターンで数分間、 開閉するなど、より反復的で面白くない作業中でエラーが最も多く発生しました。
研究者は、認知機能障害がいつ発生するかは正確にはわからないものの脱水症で体重の1%〜6%を失ったときであると調査しています。
彼らは、最も深刻な機能障害が2%の水分喪失で発生し、そこまで減少するのはあっという間である可能性があります。
「200ポンド(90kg)の体重の人が数時間運動すると、4ポンド(1.8kg)体重が落ちます。そしてその体重比は2%です。」
「80℉(約26℃)代半ばの気温、そして、適度な湿度の環境で、1時間の適度に激しい活動を行うと2ポンド(900g)を少し超える水分を失うことは 珍しいことではありません。」
初期の脱水症状には、のどの渇き、めまい、吐き気、頭痛などがあります。熱けいれんを発症したらそれは脱水が進行し、その影響を受け始めているというサインなのかもしれません。
極端な場合には、脱水症状が家庭で予防、または効果的に治療されないと、多くの人が緊急医療機関へ行かなければならなくなります。
ニューヨークのレノックスヒル病院の救急医であるロバート・グラター博士は、次のように述べています。
「一般的に、ヒートインデックス(温度と湿度)が最も高い真夏から夏の終わりに脱水症状の急上昇が見られます。」
「我々はまた、午前10時から午後2時の暑さのピークの時間帯に運動していたかもしれない人を診察します。水分補給が 追いついていないと思われます。」
高齢者や幼児もまた、水分補給を注意深く監視する必要があります。
「高齢者は、喉の渇きを感じる能力が損なわれ、尿を濃縮する能力が低下し、そのためにより多くの水分を失い脱水症のリスクが高くなります。」と グラター博士は述べています。
一方、年少の子供や幼児は、体重が軽く水分の濃度が高いため、リスクが高くなります。
彼らはまた、電解質と水分をより早く分解するため大人よりも早く水分を失います。
「幼児や子供の体内水分量が多いこと、そして、それらの代謝率が高く、体表面積に対する質量指数が大きいことが、水分や電解質の 代謝回転を増加させています。」
とグラター博士は説明します。
安全に水分補給を維持する方法
まめに水分補給を行うことは重要ですが、ある程度の注意を払わなければなりません。
水分を摂りすぎると血液を薄めてしまう可能性があります。
これは低ナトリウム血症、または血中の低ナトリウムおよび低塩につながる可能性があります。極端な場合では、脳の腫れや発作さえも 引き起こします。
混乱状態は熱による体のダメージの兆候かもしれませんが、予防に積極的であることは水分補給と健康を維持するための鍵となります。
水分補給と適切な食事は、脱水症を予防するためにできる2つの簡単なことです。
活発でいるのは良いことですが、運動は日の出前と日の入り後に運動するのが最善です。
運動を行う際に、淡い色の服を着たり帽子をかぶることでも熱の吸収を防ぐことができます。
グラター博士は熱射病の症状が見られた場合は、直ちに医師の診察を受けることを勧めています。
「熱中症は緊急事態ですので最寄りの救急外来へすぐに行き体を冷却することが不可欠です。」
【以下のウェブサイトより引用】
https://www.healthline.com/health-news/2-hours-dehydration-can-affect-body-and-brain#6