6歳以下の小児におけるICHD 3基準での限られた有用性
頭痛疾患の国際分類第3版(ICHD 3)の基準は、慢性片頭痛、慢性緊張型頭痛、および毎日の持続性頭痛を含む、
様々な頭痛障害の診断に使用できますが、6歳未満の小児患者への有用性は限られたものである可能性があります。
加えて、アミトリプチリンやトピラメートは、慢性原発性頭痛(CPH)の種類にかかわらず、小児患者にとって最適な治療薬である可能性があります。
これは医療誌『Frontiers in Neurology』に発表された研究によるものです。
研究者らは、2010年から2016年の間にイタリアの2つの病院に入院した小児患者のカルテをレビューしました。
遡及的カルテレビューに含まれる患者は年齢が18歳までであり、研究期間中にCPHと診断されていました。
研究者らはまた、薬物乱用頭痛(MOH)のある患者を探しました。
そして、CPHと人口統計学的データ、CPHと頭痛の質的特徴、CPHとMOHのリスク、CPHと予防的治療への反応との間の相関関係を調べました。
研究者らはまた、診断に関してICHD 3基準とICHD 2(国際頭痛分類第2版)基準を比較しました。
CPHの診断は6歳未満の小児ではそれほど頻繁に行われませんでした。
15歳以降、MOHのリスクはそれ以前の年齢より高くなりました。
ICHD 2基準と比較して、ICHD
3基準では未定義の診断の割合が高くなりました。
ICHD 2基準のみの使用は、慢性片頭痛の可能性のある診断を下すのには有用でした。
2時間未満という頭痛発作の持続時間は、6歳未満の患者の70%において確定診断を満足させることには至らず、それが主要な基準となりました。
これらの患者を治療するための最も効果的な薬はアミトリプチリンとトピラメートでしたが、2つの薬剤の間に違いはありませんでした。
研究の限界としては、その後ろ向き試験という種類、その比較的小さいサンプルサイズ、
そして患者に投与された予防的治療に関するプラセボ対照研究がなかったことなどがあげられます。
「我々の患者では、慢性片頭痛の有病率はICHDが第2版から第3版に移っても大きな変化はありませんでした。」
と研究者らは説明しました。
「これはおそらく、未定義の診断を受けている私達の慢性患者の大部分が頭痛の質的特徴についてではなく、
発作の持続期間についてそのような診断を受けていなかったという事実によるものです。」
【以下のウェブサイトより引用】