70歳が新たな65歳となる理由
80代後半以降まで生きる人が増えた今、英国における老齢の測定方法や定義を再考するべきである可能性があると、専門家は言います。
国民統計局(ONS)の研究チームは、従来65歳が老齢開始年齢であったものの、70歳が「新しい65歳」と捉えることができるだろうと述べています。
これは、70歳という節目の誕生日を迎えた多くの人が、その先もう15年は生きると予測されるためです。
残り寿命がより良い老齢の指標となるだろうと、彼らは言います。
<老齢とは?>
従来、65歳が老齢の開始点であると考えられてきました。
何十年間も、この年齢が年金を下ろし始める法定退職年齢だとされてきました。
しかし、労働パターンが変化し、年金受給年齢も男女ともに上昇しており、これは2020年には66歳に、2028年までには67歳になります。
ONSのチームは、人々の寿命がのみ、健康が向上していると述べています。
これは、「老齢」を定義する際、歴年齢だけではなく、残り寿命を考慮すべきであることを意味しています。
<経年的な変化>
ONS老化と人口統計学センターのチームは、健康と寿命に関する人工データを調べ、経時的な経口を比較しました。
残り寿命が15年となる年齢を見ると、過去百年でこの地点に達する平均年齢は変化してきました。
1951年、男女共に残り寿命が15年となる時点は約60歳でした。
1990年代までの間にこの年齢は65歳へと変化し、現在残り寿命15年となる時点は70歳となっています。
専門家らは、2057年にはこの年齢はさらに75歳へと上昇すると推測しています。
人々の寿命は、ヘルスケアや生活環境の向上により過去百年で伸びました。
しかし、伸びた分の寿命は、健康な状態で謳歌できているのでしょうか?
老齢の節目を、65歳から70歳に移すべきなのでしょうか?
<年を取っても健康?>
歴年齢毎の健康状態は年とともに改善してきました。
しかし、見込み年齢(どれだけの寿命が残されているか)毎の健康状態は、低下している点もあれば、改善している点もあります。
研究者による計算によると、2017年における70歳の女性の健康悪化状態は、1981年における60歳の女性のものと同様である一方、長期疾患については64歳前後の女性のものと類似している結果となりました。
男性においては、2017年における70歳の健康悪化状態は1997年における65歳のものと同様であり、一方特定の長期疾患については57歳前後のもの類似していました。
ですので、集団レベルでは、健康状態を加味したとしても、70歳を新たな65歳(もしくはこれよりも低い年齢)とするのが妥当であるようです。
Age UKの研究マネージャーであるリビー・ウェブ氏は、以下のように述べています。
「現在70歳の人は過去の65歳の人と同様の寿命および健康状態を持ち合わせているため、平均として、人々の健康は以前よりも確実に向上しています。」
しかし彼女は、ほとんどの人は未だに、人生後半の健康の悪化を経験していると述べています。
「この健康が悪化する期間の短縮については、まだ見られていません。」
彼女は、寿命が改善するということは、かなり複雑なケアを必要とする「超老齢」の人が増え、健康状態における貧富の差が拡大することを意味していると言います。
しかし彼女は、高齢化社会をネガティブに捉える必要はないと言います。
「私たちは、有償の労働や思いやりの意識、ボランティアなどによって、高齢者が社会に大きな貢献をしていることを知っています。」
「年齢とはただの数字であり、人によって意味が異なるのです。」
出典: 2019年11月19更新 BBC News Health『Old age: Why 70 may be the new 65』(2019年11月22日に利用)
https://www.bbc.com/news/health-50472775
国民統計局(ONS)の研究チームは、従来65歳が老齢開始年齢であったものの、70歳が「新しい65歳」と捉えることができるだろうと述べています。
これは、70歳という節目の誕生日を迎えた多くの人が、その先もう15年は生きると予測されるためです。
残り寿命がより良い老齢の指標となるだろうと、彼らは言います。
<老齢とは?>
従来、65歳が老齢の開始点であると考えられてきました。
何十年間も、この年齢が年金を下ろし始める法定退職年齢だとされてきました。
しかし、労働パターンが変化し、年金受給年齢も男女ともに上昇しており、これは2020年には66歳に、2028年までには67歳になります。
ONSのチームは、人々の寿命がのみ、健康が向上していると述べています。
これは、「老齢」を定義する際、歴年齢だけではなく、残り寿命を考慮すべきであることを意味しています。
<経年的な変化>
ONS老化と人口統計学センターのチームは、健康と寿命に関する人工データを調べ、経時的な経口を比較しました。
残り寿命が15年となる年齢を見ると、過去百年でこの地点に達する平均年齢は変化してきました。
1951年、男女共に残り寿命が15年となる時点は約60歳でした。
1990年代までの間にこの年齢は65歳へと変化し、現在残り寿命15年となる時点は70歳となっています。
専門家らは、2057年にはこの年齢はさらに75歳へと上昇すると推測しています。
人々の寿命は、ヘルスケアや生活環境の向上により過去百年で伸びました。
しかし、伸びた分の寿命は、健康な状態で謳歌できているのでしょうか?
老齢の節目を、65歳から70歳に移すべきなのでしょうか?
<年を取っても健康?>
歴年齢毎の健康状態は年とともに改善してきました。
しかし、見込み年齢(どれだけの寿命が残されているか)毎の健康状態は、低下している点もあれば、改善している点もあります。
研究者による計算によると、2017年における70歳の女性の健康悪化状態は、1981年における60歳の女性のものと同様である一方、長期疾患については64歳前後の女性のものと類似している結果となりました。
男性においては、2017年における70歳の健康悪化状態は1997年における65歳のものと同様であり、一方特定の長期疾患については57歳前後のもの類似していました。
ですので、集団レベルでは、健康状態を加味したとしても、70歳を新たな65歳(もしくはこれよりも低い年齢)とするのが妥当であるようです。
Age UKの研究マネージャーであるリビー・ウェブ氏は、以下のように述べています。
「現在70歳の人は過去の65歳の人と同様の寿命および健康状態を持ち合わせているため、平均として、人々の健康は以前よりも確実に向上しています。」
しかし彼女は、ほとんどの人は未だに、人生後半の健康の悪化を経験していると述べています。
「この健康が悪化する期間の短縮については、まだ見られていません。」
彼女は、寿命が改善するということは、かなり複雑なケアを必要とする「超老齢」の人が増え、健康状態における貧富の差が拡大することを意味していると言います。
しかし彼女は、高齢化社会をネガティブに捉える必要はないと言います。
「私たちは、有償の労働や思いやりの意識、ボランティアなどによって、高齢者が社会に大きな貢献をしていることを知っています。」
「年齢とはただの数字であり、人によって意味が異なるのです。」
出典: 2019年11月19更新 BBC News Health『Old age: Why 70 may be the new 65』(2019年11月22日に利用)
https://www.bbc.com/news/health-50472775