9・11で初期対応をした人にはアルツハイマー病の確率が高い
2020年7月28日 – 9・11テロ攻撃での最初の対応者は、アルツハイマー病と認知症のリスクが高まっているように思えると新しい研究で示唆されています。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とそれらの間の軽度の思考障害の有病率はよく知られています。そして、ニューヨークのストーニーブルック大学の2つの研究では、認知症患者と同様の脳の変化が確認されています。
ストーニーブルック世界貿易センターの健康とウェルネスプログラムのベンジャミン・ルフト博士は次のように述べています。
「9・11から20年近くが経過し、こういった人々をケアする臨床医は、認知障害や認知症の兆候を示す患者の増加を見ています。」
と彼は大学のニュースリリースで述べました。
最近、『アルツハイマー病と認知症』誌で最近公開された二つの研究のうちのひとつでは、2001年9月11日のニューヨーク市の世界貿易センターへの攻撃に対する初期対応者からの脳スキャン診断、評価、および疾患の監視状況などが調査されました。
脳スキャン診断には症状の有無にかかわらず、初期対応を行った元労働者へ行われました。
研究者が見たものは、アルツハイマー病または認知症の患者の脳スキャンによく似ていました。
初期対応者の多くには、彼らの年齢層ではめったに見られない灰白質の悪化がありました。
研究対象となったのは45歳〜65歳でした。
灰白質の薄層化は、既存の障害のある初期対応者ではるかに広範囲でしたが、思考能力に障害のないものも脳変性の兆候を示しました。
「脳の変化による認知機能の低下には多くの理由がありますが、脳の灰白質の損失は最も懸念されるものの1つであり、それは皮質の厚さで測定できます。」
と研究主任執筆者である、ショーン・クルーストン氏は述べました。
クルーストン氏は、灰白質の喪失について、
「中年期にこれらの人々の一部で発生する可能性が高い、早期発症型認知症を伴う可能性のある早期認知症の可能性での指標」であると付け加えました。
別の研究では、ルフト博士が率いる第二ストーニーブルックチームが、PTSDまたは記憶力と思考力障害のあるほぼ200人の最初対応者(平均年齢:55歳)からの血液サンプルを分析しました。
研究者らは、アルツハイマー病および関連する脳の疾患と一致する血液タンパク質の異常を発見しました。
これらの研究は、Translational Psychiatry誌に掲載される予定です。
「私たちの新しい研究の調査結果は、認知障害を持つ患者のこの集団がPTSDなどの心理的問題を抱えているだけでなく、神経変性疾患のリスクが高い可能性があるという考えを初めて支持したものとなります。こういった可能性については、すぐに継続的な調査が必要です。」
と、ラフト博士は述べました。
【以下のリンクより引用】
9/11 First Responders Have Higher Odds for Alzheimer's: Study
Healthday