ACE阻害薬、アンジオテンシン受容体遮断薬に片頭痛頻度を低下させる可能性
Current Pain and Headache Reports誌に掲載された系統的レビューによると、脂溶性のアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤とアンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)は、一次予防治療として使用すべきではないものの、片頭痛の頻度を効果的に減少させる可能性があります。
研究者らは、1990年1月から2017年12月までPubMed、MEDLINE、Embase、およびCochrane Libraryを検索し、そこでのランダム化比較試験(RCT)、全身的レビュー、および非冒険研究において、18歳〜70歳の成人における片頭痛発作の予防のための、ACE阻害薬とARBの有効性が調査されました。
合計18件の記事(10件のRCTと8件の非盲検試験、メタ分析、またはガイドライン)がこの調査分析のために選択されました。
研究者らは、参加者が18歳未満、または片頭痛なしで登録されている、、または薬剤の予防効果ではなく急性効果が調べられていた5件のRCTおよび6件の他の研究を除外しました。
最終分析には、テルミサルタン80 mg、カンデサルタン16 mg、エナラプリル10 mgの効果を調べる3つのRCTと、リシノプリル5 mgおよびラミプリル5 mgに対する2つの非盲検試験が選択されました。
この分析では、ACE阻害薬とARBの使用により、プラセボとカンデサルタン16mgを除き、プベースラインと比較して、ACE阻害剤とARBの使用により、片頭痛発作頻度が50%以上減少した参加者が多数いたことが示されました。
「過去10年以内に実施された研究に基づくと、すべての患者の片頭痛における第一選択予防薬としてACE阻害薬またはARBの使用を支持する証拠はありません。しかし、高血圧や副作用のリスクが高いなどの併存疾患を持つ集団では、これらの薬剤は一次または二次予防薬として利用できるかもしれません。
特にテルミサルタンとカンデサルタンは、脂溶性であるため、更に研究を行う価値があります。」
とレビューの著者は結論付けました。
【以下のリンクより引用】
ACE Inhibitors, Angiotensin Receptor Blockers May Reduce Migraine Frequency
Updated October 17, 2019
Neurology Advisor