AIがADHDの若者の診断に役立つ可能性
日時:2023年11月29日
情報ソース:北米放射線学会
概要:人工知能 (AI) を使用して、注意欠陥/多動性障害 (ADHD) のある若者とない若者との比較で特殊な脳 MRI スキャンを分析したところ、研究者らは ADHD 患者の 9 つの脳白質路に大きな違いがあることを発見しました。
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人工知能 (AI) を使用して、注意欠陥/多動性障害 (ADHD) のある若者とない若者の特殊な脳 MRI スキャンを分析したところ、研究者らは ADHD 患者の 9 つの脳白質路に大きな違いがあることを発見しました。
この研究結果は本日、北米放射線学会(RSNA)の年次総会で発表される予定です。
米国疾病管理予防センターによると、ADHD は小児期に診断され、成人になっても継続することが多い一般的な障害です。
米国では、6 歳から 17 歳までの推定 570 万人の子供と青少年が ADHD と診断されています。
「ADHDは幼い頃に発症することが多く、その人の生活の質や社会で機能する能力に大きな影響を与える可能性があります。」
と、研究共著者でカリフォルニア大学サンフランシスコ校神経放射線科の研究専門家であるジャスティン・ハイン氏は言います。彼は、アーバナ・シャンペーンのカール・イリノイ医科大学の医学生でもあります。
「また、スマートフォンやその他の気を散らす端末が容易に入手できるようになったことで、今日では、若者の間でも社会に蔓延しつつあります。」
ADHD の子供は、何かに注意を払ったり衝動的な行動を制御したり、または活動を調節することが困難である可能性があります。
早期の診断と介入がこの状態を管理する鍵となります。
「ADHDは診断が非常に難しく、主観的な自己申告調査に頼っています。」
とハイン氏は述べました。
「診断のためのより客観的な指標が不足していることは確実です。それが私たちが埋めようとしているギャップなのです。」
ハイン氏は、これは、米国内の21カ所の研究施設からの11,000人を超える青少年の脳画像、臨床調査、その他のデータを含む多施設共同の思春期脳認知発達研究(ABCD研究)において、ADHDのマーカーを特定するためにAIの一種であるディープラーニングを適用した最初の研究であると述べました。
脳画像データには、拡散強調画像 (DWI) と呼ばれる特殊なタイプの MRI が含まれていました。
「ADHDを検出するためにAIを使用したこれまでの研究は、サンプルサイズが小さいことと障害の複雑さのためにうまくいきませんでした。」
とハイン氏は述べました。
研究チームは、ABCD 研究のデータセットから ADHD の有無にかかわらず、青少年を含めた 1,704 人のグループを選択しました。
研究者らは、DWI のスキャンを使用し脳内の 30カ所にある主要な白質路に沿った分数異方性 (FA) 測定値を抽出しました。
FA は、水分子が白質路の繊維に沿ってどのように移動するかを示す尺度です。
選ばれた1,371 人からのFA 値は、深層学習 AI モデルをトレーニングするための入力として使用され、ADHD と診断された 193 名と、そうでない140 名を含む 333 名の患者で試験が行われました。
ADHD の診断は、子供の機能と介入に対する子供の反応を監視するために使用される評価ツールである、『簡易問題モニター評価(the Brief Problem Monitor assessment Brief)』によって決定されました。
研究者らは、AI の助けを借りて、ADHD 患者の 9 つの白質路で FA 値が大幅に上昇していることを発見しました。
「ADHD患者のMRI画像におけるこのような違いは、これほど詳細なレベルでこれまでに観察されたことがありませんでした。」
とハイン氏は述べました。
「一般に、9つの白質路に見られる異常はADHDの症状と一致します。」
研究者らは、ABCD データセット内の残りの個人からデータを取得し続け、追加の AI モデルのパフォーマンスを比較する予定です。
「自分がADHDではないかと感じている人も多く、診断テストは主観的な性質を持っているため、そうとは診断されません。」
とハイン氏は言います。
「この方法は、定量的で客観的な診断の枠組の中で、ADHDを診断するために使用できる画像バイオマーカーの発見に向けた有望な一歩となります。」
とハイン氏は述べました。
【以下のリンクより引用】
AI may aid in diagnosing adolescents with ADHD
Sciencedaily
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