電話: (050) 5806 4417

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / BCGワクチン接種がCOVID-19から保護するという「断片的な証拠」

BCGワクチン接種がCOVID-19から保護するという「断片的な証拠」

カリフォルニア大学バークレー校のデビッド・レバイン教授は、スペインとイタリアの人々を対象とした研究により、BCGワクチン接種がCOVID-19を予防する可能性があるという「証拠の断片」が提供されたと述べています。

この研究では、スペインで一般のBCGワクチン接種プログラムが行われていたときに生まれた人の間で、COVID-19と死亡の確定例の割合が、それが導入されていなかったイタリアの人々と比較してわずかに低いことがわかりました。

レバイン氏は、この研究結果によりアナリストがより信頼性の高いデータを提供するために、年齢別のより多くの結果とより大きなサンプルサイズでの詳細なデータでの検証が行われることに期待を寄せています。

 

BCGとCOVID-19

レバイン教授によれば、結核に対するBCG(無菌化ウシ型結核菌)ワクチンの接種により、COVID-19を含む他の疾患に対する自然免疫系の反応が強化されるという証拠が示されています。

BCGワクチン接種が普遍化されなかったイタリアや米国などの国では、ワクチン接種が普遍化された国と比較して、COVID-19の報告率が高くなっています。

これにより、医療従事者の間でワクチン接種がCOVID-19から保護されるかどうかを調べるランダム化試験が行われましたが、BCGワクチン接種が継続している国では情報源が不足しがちであり、COVID-19検査率が低くなるため、それらの結果は信憑性に欠けていました。

現在、レバイン教授は、1965年から1981年の間に一般的なBCGワクチン接種が行われたスペインからのデータを調査することにより、これらの研究を拡大しています。

COVID-19と死亡率の確認された症例は、スペインが1981年にワクチン接種プログラムを終了した、およそ10年前と10年後に生まれた人々のコホート間で評価されました。

結果は、一般的なBCGワクチン接種が導入されなかったイタリアの同様のコホートの結果と比較されました。

  

スペインとイタリアの類似点

スペインとイタリアは多くの点で類似しており、COVID-19が発生する前の平均寿命は両国でほぼ83年であり、ヨーロッパで最も長寿です。

どちらの国も質の高い医療を主に無料で提供しており、両国は同様の年齢分布、同様の肥満、糖尿病率、および病院ベッドの可用性も同様です。

昨年末に中国の武漢でCOVID-19が発生して以来、パンデミックは2月中旬にイタリアとスペインで急速に広がり始め、3月末までに両国で確認された症例数は世界で最多でした。

「私たちのデータ収集の時点では、両国は、COVIDに起因する死亡率と人口100万人あたりのCOVID検査の割合が同じ程度でした。」

とレバイン教授は記しています。

 

研究では何がわかったのか

この研究では、各国の10歳ごとでの年齢グループに利用可能なデータを使用して、COVID-19の確定症例と死亡について調査を行いました。

スペインのデータは2020年5月1日まで、イタリアのデータは4月28日までを網羅していました。

イタリアでは、40代で確認された症例数は、30代での1症例につき1.70症例でした。

スペインでは、40代の数は、30代での各1症例につき1.55症例でした。

BCGワクチン接種を受けたスペイン人コホートの中で、COVID-19の確定症例の可能性は有意に低く、相対リスクは0.962でした。

イタリアでは、40代の人のCOVID-19による確定死亡数は、30代の死者1人あたり4人以上でした。スペインでは、30代の死者数は40代で3人弱でした。

証拠によると、スペインのBCGコホートの死亡率は低く、相対リスクは0.929人でしたが、サンプルサイズが小さいためこのリスクの減少は統計的に有意ではありませんでした。

 

「断片的な証拠」

「これらの示唆に富んだ結果は、BCGワクチン接種がCOVIDから保護するのを助けるという、断片的な証拠となります。」

とレバイン教授は言います。

しかし、この研究ではBCGワクチン接種と幅広い年齢層において大まかな暴露尺度が使用されており、年齢分布の基本的な調整を除いて共変数がないと彼は付け加えます。

「要するに、この分析を発表する重要な理由は、より詳細なデータへアクセスすることができる、アナリストに、より狭い帯域幅において、『回帰不連続性調査』を実施するよう促すことです。」とレバイン教授は言います。

彼は、年齢または出生年ごとの転帰に関するデータにより、36〜38歳や40〜42歳など、年齢でより狭い帯域幅で確認された症例を使用して、分析を繰り返すことが可能になると示唆しています。

レバイン教授は、フランスやポルトガルなどの他の近隣諸国と比較して、入院などの他の転帰に関する追加のデータを入手することも有用だと述べています。

 

【以下のリンクより引用】

"A shred of evidence" BCG vaccinations protect against COVID-19

News Medical Net