COVID-19 プリンシパル試験にコルチコステロイド吸入剤が追加される
プリンシパル試験では、入院していないCOVID-19患者の治療薬としてブデソニドの有効性について調査しています。
コルチコステロイド吸入剤であるブデソニドは、高齢者におけるCOVID-19に対する介入のプラットフォームランダム化試験(プリンシパル試験, the PRINCIPLE trial)の一環として、入院していないCOVID-19患者の治療薬として最も新しく調査が行われている薬剤です。
オックスフォード大学が主導するプリンシパル試験では、50歳以上の人々が入院せずにCOVID-19から迅速に回復し入院の必要性を防ぐのに役立つ治療薬について評価しています。
これまでのところ、この試験では英国全土から2,100人以上のボランティアが参加しています。
COVID-19の一部の患者では、ウイルスに対する体の免疫反応が高レベルの炎症を引き起こし、気道や肺の細胞にダメージを受ける可能性があります。
喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療によく使用されるブデソニドを吸入することで、気道の抗炎症治療に役立ちウイルスによって引き起こされる可能性のある肺の損傷を最小限に抑えることができます。
研究参加者は、一般開業医から行われている通常の治療と共にランダムに割り当てられます。彼らはコルチコステロイド吸入剤を1日2回、14日間服用するように指示され、各吸入は400mcgのブデソニドが提供されます。
そして、その後、参加者には28日間追跡調査が行われ通常のケアのみを受けるようにランダム化された参加者と比較されます。
「ブデソニドは呼吸器疾患に対して比較的安価で安全で投与が容易な薬剤です。そして、COVID-19の治療に役割を果たす可能性があります。」
とこの試験を主導する Nuffield Department of Primary Care Health Sciences のプライマリケア部門の教授であるクリス・バトラー氏は述べています。
「ブデソニドのような潜在的な治療薬に関連する明らかな利益または害があるかどうかは、プリンシパル試験のようなランダム化比較試験にボランティアを登録することによってのみ評価が可能です。」
しかし、バトラー氏は、COVID-19の人々が入院せずにすむ方法についての回答を得るため、この試験にはまだもっと多くのボランティアが必要であると述べました。
プライマリケアヘルスサイエンスの教授であり、試験の共同リーダーであるリチャード・ホブス氏は、病院内での試験から、デキサメタゾンによるコルチコステロイドの静脈内投与がすでに入院している患者の死亡率を低下させることが知られていると述べました。
「ブデソニドがCOVID-19を治療し、入院を防ぐ効果的な方法であることがわかった場合、規制当局の承認を受けて、英国全体に迅速に展開される可能性があります。」
【以下のリンクより引用】
Inhaled corticosteroid added to COVID-19 PRINCIPLE trial
The Pharmaceutical Journal