COVID-19の第1波の間に医療関係者の57.8％が精神疾患に

スペインとメキシコの149人の医療関係者に関する研究では、COVID-19のパンデミック第１波の間に、57.8％が不安、急性ストレス、うつ病などの精神障害に苦しんでいたことが明らかになっています。

これは、カルデナルエレーラ大学（CEU）の博士課程の学生であるイヴァン・エケベリア氏の博士論文に記載されており、その研究は、科学雑誌『International Journal of Environmental Research and Public Health』に最近掲載されました。

この結果は、医療関係者が第1波に直面することを示した道徳的な勇気が、精神疾患のリスクを高めた要因の1つであることを示しています。

エケベリア氏の論文は、CEUで、医学部の精神健康学科の教授でTXPグループの主任研究員であるゴンサロ・ハロ博士、そして、同じグループの一員であるアナ・ベニート博士の指導の下、実施されました。

この論文は、COVID-19パンデミックが医療関係者のメンタルヘルスに及ぼす影響、および彼らの精神障害の発症を防ぐための道徳的勇気や人生の目的などの要因の役割について研究しています。

この研究は、医師、看護師、心理学者、看護助手、病院設備内で働く人、さらには管理、警備、または調理室のスタッフなど、149人の医療関係者のサンプルで実施されました。

医療機関のCastellón Health Departmentに所属する90人のスペイン人専門家と、メキシコのカンペチェ精神病院の59人の専門家での調査結果を比較しています。

調査によると、パンデミック第1波のスペインの医療関係者の57.8％が不安、うつ病、または急性ストレスを示しましたが、メキシコの医療関係者でパンデミック第1波においてこれらの障害のひとつに苦しんでいたのは39％だけでした。

「こういった精神疾患がCOVID-19ウイルスへ、職業上、晒されている状況とはあまり関係がないことに驚いていますが、それは、むしろ、主にこのウイルスに友人や家族が晒されていたということが原因です。」

とゴンザロ・ハロ博士は言います。

ここで紹介された精神疾患の中での内訳は、スペインの専門家は主に47％が不安障害に苦しんでいました。続いて、急性ストレス障害の32.6％。そして、頻度は少ないものの、大うつ病性障害の発症は21.3％でした。

この研究の発想は、イヴァン・エケベリア氏が、レジデント・ドクターとして患者のケアに参加するのを待機している間に思いついたもので、それは、パンデミックの第1波におけるスペインの医療従事者の勇気に言及し、ニューヨークタイムズ紙が掲載した「ヘルスケア神風」という記事を読んだためでした。

「道徳的勇気」　は、これらの専門家に、伝染の危険性にもかかわらず患者のために仕事に行く決意を与える一連の道徳的価値観として定義され、彼らの精神的健康の危険因子となっていました。

「この現象は、専門家が行動できないときに発生する「道徳的苦痛」の概念によって説明されます。
パンデミックの最初の波で起こったような人員不足または個人用保護具（PPE）の不足といった満足な治療を妨げる外的要因によるとアナ・ベニート博士は付け加えます。

これらの精神疾患の発現に影響を与えたもう1つの要因は、「人生の目的」です。

これは、人生の目標と価値について人が持っている認識として定義されます。

イヴァン・エケベリア氏は、彼の博士論文のこの最初に、

「人生における高い目標は、不安、うつ、および急性ストレスに対する保護因子として機能します。それと同様に目標が低いことは、これらの障害の発現に有利に働く可能性があります。」

と強調しています。

3人の研究者は、スペインが「第5波」に直面しており、医療従事者が肉体的および精神的に疲れていることがこれらの結果に関連していると強調しています。

医療従事者や他の重要な分野の労働者、そして世界の人々が暮らす社会においても未曽有の感情的な苦痛と精神障害を発現する精神的健康問題は、感染症、入院、死亡の増加といったピークが目に見える波のようではなく、ゆっくりと持続的な上昇を伴う洪水のような形へ反映されます。」

ゴンサロ・ハロ博士は述べています。

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