COVID-19の自宅検査について知っておくべきこと
コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが続く中、ウイルス検査が依然として最重要事項となっています。
現在少なくとも3種類、快適かつ比較的安全な自宅で行える検査が存在します。
これらの3つの自宅検査は、米国食品医薬品局(FDA)の緊急許可を得て、誰でも自宅で使用できるように販売されました。
内2つの検査は、鼻咽頭スワブを使用し、検体を研究所に送ることで、結果を確認することができます。
3つめの検査では、唾液サンプルを使用します。
しかし、特に正確な結果を得られるように設計されている場合、これらの検査に関しては懸念が存在します。
例えば、鼻孔検査で用いられるスワブ(綿棒)は、一般的なCOVID-19検査で使われるものよりも大幅に短くなっており、このことが結果に影響する可能性があります。
私たちは、自宅検査の長所と短所、及び使用を検討する際に使用者が心に留めておくべきことについて、病理医のギャリー・プロコップ医師に話を伺いました。
<適切な方法で使用する>
プロコップ医師によると、こうした自宅検査における主な課題は、適切なサンプルを確実に採取することであるといいます。
「適切な検体を得ることは、あらゆる検査における要です。世界で最も優れた検査を受けても、検体の質が悪ければ、正しい結果を得ることはできません。」
自宅検査における大きな課題の一つは、医療従事者から直接アドバイスを受けることなく、自分自身で行う点です。
「私は、専門家の監督無しに自宅で採取された検体の質について懸念があります。」と、プロコップ医師は言います。
彼は、UCLAのフィールディング公衆衛生大学院が行った最近の研究(まだ査読されていません)について言及しました。
この研究では、医師の監督の元で実施された自己検査の検体と、医師の介入なく一人で実施した際の検体の成功率を調べました。
同研究では、45人の被験者から採取した複数の検査検体を調べました。
内29人は、少なくとも1度、COVID-19検査で陽性反応が出ていました。
最も成功率が高かったのは、臨床医の監督の元で実施した、口腔スワブの自己検査(90%、29人中26人)であり、次いで臨床医の監督の下で実施した、鼻咽頭スワブの自己検査(85%)となりました。
臨床医が自ら実施した鼻咽頭スワブの陽性検出成功率は、79%に留まりました。
一方で、臨床医の監督無しで実施した口腔スワブの自己検査では、66%のみしか陽性を検出できず、医師の監督の下で行った検査との違いをプロコップ医師は「夜と昼」と呼んでいます。(研究では、監督無しで実施された鼻咽頭検査は含まれませんでした。)
プロコップ医師によると、患者が適切に検査を行うためには、臨床医の立ち合いの役割が大きいといいます。
例えばUCLAの研究では、口腔検体を採取する患者は、スワブを行う前に、口腔内の痰や唾液を採取するために、3~5回咳をするよう指示されました。
研究者は、正しい検査方法を指示する医師が監督していなかった一部の患者は患者は、この重要な最初のステップを飛ばしていたと述べています。
プロコップ医師は、次のように述べました。
「この研究では、特定の指示がある場合、結果に影響し得ることが示されました。」
プロコップ医師は、患者がスワブが適切な位置に届くまで十分奥まで挿入せずに鼻の最前部のみから自己採取した場合、深くまで挿入した検体と比較して、正確な結果が得られないことを懸念しています。
「ウイルスが生息する場所まで到達させる必要があるのです。」と彼は言います。
とはいえ、在宅検査が良い選択肢であると言える理由がないわけではありません。
「私達が望んでいるのは、正しい結果を得ることです。」と、プロコップ医師は言います。
「理想的には、臨床医が指示を与えることができる、ビデオ監視付きの自己採取方法があると素晴らしいでしょう。患者が全ての指示に従っていることを確認する上でも、役立つヒントを提供する上でも、監視を行うことで適切な検体の採取に役立ちます。」
プロコップ医師によると、自宅検査の方が安全な点もいくつかあると言います。
「体調が悪いと感じたら外出したくない、さらなる感染リスクに曝されたくないと考えるでしょう。」と彼は言います。
「そして、体調が悪い場合、ウイルスを他人にうつしたくないと思うでしょう。」
もう一つの利点は、自宅検査が増えることで、医療従事者が、一部の個人保護用具(PPE)を節約できる可能性があるということです。
「PPEを使用したり、他人と関わることなく良質な検体を得られる方法があれば、その方がはるかに良いでしょう。」
<自宅検査を受けるべき?>
COVID-19の自宅検査を受けるかどうかの判断は最終的には個人次第ですが、プロコップ医師は、前述の通り、この検査方法には間違いなくいくつかの利点があると述べています。
ただし、「高品質の検体が提出できないと、誤った結果が出る恐れがある」と付け加えました。
自宅検査を受けることに決めた場合は、必ず検査提供企業と加入する保険会社に、費用と補償範囲について確認してください。
一部の検査は保険適用となっていますが、そうでない検査は100米ドル以上かかる可能性があります。
プロコップ医師は、次のように付け加えています。
「好奇心のみで検査を受けることはお勧めしません。検査の有無にかかわらず、COVID-19の可能性を示す症状が出ている人は、自己隔離やマスクの着用を含む、ガイドラインに従う必要があります。」
出典 2020年6月16日更新 Health essentials『Here’s What to Know About At-Home COVID-19 Tests』(2020年6月18日に利用)
https://www.npr.org/sections/coronavirus-live-updates/2020/06/16/878069587/early-results-show-benefi...
現在少なくとも3種類、快適かつ比較的安全な自宅で行える検査が存在します。
これらの3つの自宅検査は、米国食品医薬品局(FDA)の緊急許可を得て、誰でも自宅で使用できるように販売されました。
内2つの検査は、鼻咽頭スワブを使用し、検体を研究所に送ることで、結果を確認することができます。
3つめの検査では、唾液サンプルを使用します。
しかし、特に正確な結果を得られるように設計されている場合、これらの検査に関しては懸念が存在します。
例えば、鼻孔検査で用いられるスワブ(綿棒)は、一般的なCOVID-19検査で使われるものよりも大幅に短くなっており、このことが結果に影響する可能性があります。
私たちは、自宅検査の長所と短所、及び使用を検討する際に使用者が心に留めておくべきことについて、病理医のギャリー・プロコップ医師に話を伺いました。
<適切な方法で使用する>
プロコップ医師によると、こうした自宅検査における主な課題は、適切なサンプルを確実に採取することであるといいます。
「適切な検体を得ることは、あらゆる検査における要です。世界で最も優れた検査を受けても、検体の質が悪ければ、正しい結果を得ることはできません。」
自宅検査における大きな課題の一つは、医療従事者から直接アドバイスを受けることなく、自分自身で行う点です。
「私は、専門家の監督無しに自宅で採取された検体の質について懸念があります。」と、プロコップ医師は言います。
彼は、UCLAのフィールディング公衆衛生大学院が行った最近の研究(まだ査読されていません)について言及しました。
この研究では、医師の監督の元で実施された自己検査の検体と、医師の介入なく一人で実施した際の検体の成功率を調べました。
同研究では、45人の被験者から採取した複数の検査検体を調べました。
内29人は、少なくとも1度、COVID-19検査で陽性反応が出ていました。
最も成功率が高かったのは、臨床医の監督の元で実施した、口腔スワブの自己検査(90%、29人中26人)であり、次いで臨床医の監督の下で実施した、鼻咽頭スワブの自己検査(85%)となりました。
臨床医が自ら実施した鼻咽頭スワブの陽性検出成功率は、79%に留まりました。
一方で、臨床医の監督無しで実施した口腔スワブの自己検査では、66%のみしか陽性を検出できず、医師の監督の下で行った検査との違いをプロコップ医師は「夜と昼」と呼んでいます。(研究では、監督無しで実施された鼻咽頭検査は含まれませんでした。)
プロコップ医師によると、患者が適切に検査を行うためには、臨床医の立ち合いの役割が大きいといいます。
例えばUCLAの研究では、口腔検体を採取する患者は、スワブを行う前に、口腔内の痰や唾液を採取するために、3~5回咳をするよう指示されました。
研究者は、正しい検査方法を指示する医師が監督していなかった一部の患者は患者は、この重要な最初のステップを飛ばしていたと述べています。
プロコップ医師は、次のように述べました。
「この研究では、特定の指示がある場合、結果に影響し得ることが示されました。」
プロコップ医師は、患者がスワブが適切な位置に届くまで十分奥まで挿入せずに鼻の最前部のみから自己採取した場合、深くまで挿入した検体と比較して、正確な結果が得られないことを懸念しています。
「ウイルスが生息する場所まで到達させる必要があるのです。」と彼は言います。
<自宅検査の利点>
「私達が望んでいるのは、正しい結果を得ることです。」と、プロコップ医師は言います。
「理想的には、臨床医が指示を与えることができる、ビデオ監視付きの自己採取方法があると素晴らしいでしょう。患者が全ての指示に従っていることを確認する上でも、役立つヒントを提供する上でも、監視を行うことで適切な検体の採取に役立ちます。」
プロコップ医師によると、自宅検査の方が安全な点もいくつかあると言います。
「体調が悪いと感じたら外出したくない、さらなる感染リスクに曝されたくないと考えるでしょう。」と彼は言います。
「そして、体調が悪い場合、ウイルスを他人にうつしたくないと思うでしょう。」
もう一つの利点は、自宅検査が増えることで、医療従事者が、一部の個人保護用具(PPE)を節約できる可能性があるということです。
「PPEを使用したり、他人と関わることなく良質な検体を得られる方法があれば、その方がはるかに良いでしょう。」
<自宅検査を受けるべき?>
COVID-19の自宅検査を受けるかどうかの判断は最終的には個人次第ですが、プロコップ医師は、前述の通り、この検査方法には間違いなくいくつかの利点があると述べています。
ただし、「高品質の検体が提出できないと、誤った結果が出る恐れがある」と付け加えました。
自宅検査を受けることに決めた場合は、必ず検査提供企業と加入する保険会社に、費用と補償範囲について確認してください。
一部の検査は保険適用となっていますが、そうでない検査は100米ドル以上かかる可能性があります。
プロコップ医師は、次のように付け加えています。
「好奇心のみで検査を受けることはお勧めしません。検査の有無にかかわらず、COVID-19の可能性を示す症状が出ている人は、自己隔離やマスクの着用を含む、ガイドラインに従う必要があります。」
出典 2020年6月16日更新 Health essentials『Here’s What to Know About At-Home COVID-19 Tests』(2020年6月18日に利用)
https://www.npr.org/sections/coronavirus-live-updates/2020/06/16/878069587/early-results-show-benefi...