コロナウイルス病(COVID-19)のパンデミックの原因となっている重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対抗するワクチン接種の取り組みが、世界中で進んでいます。
SARS-CoV-2の遺伝子配列データが2020年1月10日にGISAIDを通じて共有されて以来、世界の製薬業界はCOVID-19に対抗するための主要な取り組みを発表しました。
2021年6月の時点で、18個のワクチンが各国の規制当局から一般使用に向けて承認されています。これにより、COVID-19による感染の拡大、重症化、および死亡率が大幅に減少しました。
第III相試験では、いくつかのCOVID-19ワクチンがSARS-CoV-2感染を95%減少させることが示されています。
中でも、ファイザー-ビオンテック社のBNT162b2 mRNA COVID-19ワクチンは、新型のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンとして注目されています。このワクチンは、防御免疫に関連するスパイクタンパク質特異的中和抗体を誘導します。
フィンランドのトゥルク大学生物医学研究所の研究者によると、BNT162b2ワクチンを接種した医療従事者の血液は、2回目の投与後にD614G置換を持つSARS-CoV-2変異体と、その後のB.1.1.7変異体(アルファ変異体)を効果的に中和しました。
しかし、B.1.351変異体(ベータ変異体)に対する中和能力は5分の1に減少したものの、血清反応陰性のワクチン接種者の92%がある程度の防御効果を持つことが示されました。
COVID-19ワクチンの普及と同時に、イベルメクチンの使用に関する議論も活発化しています。
イベルメクチンは、元々は寄生虫感染症の治療薬として使用されていましたが、コロナウイルス治療薬としての可能性が研究されています。
いくつかの論文では、イベルメクチンがCOVID-19に対して有効である可能性が示唆されていますが、これにはまだ慎重な検討が必要です。
特に、ワクチンの副反応に対するイベルメクチンの影響については、さらなるデータが必要です。
イベルメクチンの今後の研究方向
COVID-19に対するイベルメクチンの効果に関する研究は、その潜在的な治療効果を探る上で重要です。
イベルメクチンがCOVID-19の治療薬として有効であるかどうかを判断するためには、より多くの厳密な臨床試験が必要です。
将来的には、イベルメクチンがCOVID-19患者の治療成績にどのように影響するかを深く理解するための研究が期待されています。
参照記事:COVID mRNA vaccines induce antibodies against three SARS-CoV-2 variants - News Medical Net
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