HIV患者でのもうひとつの警告:COPDのリスクが高い
2020年2月20日(HealthDay News)- HIVの感染者である成人は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を持つ割合が高く、HIV患者でない人よりも、数年早く肺疾患と診断されることが新しい研究でわかりました。
研究者は、喫煙がその主な理由であると示唆しています。
「HIV感染者が長生きできるようになるにつれて、予防や、スクリーニング、そして治療戦略を生み出すために、他の病気に罹患する頻度を理解することが重要です。」
と、トロントにある聖ミカエル病院の科学者である 、トニー・アントニオ氏は述べました。
「他の要因がHIV患者のCOPDの発症に寄与する可能性がありますが、私たちの研究では、HIV患者のCOPDの予防と、COPDと既に診断されている人々の更なる肺損傷を防ぐために禁煙を勧めることの重要性を強調しています。」
と、アントニオ氏は病院のニュースリリースで述べました。
この研究では、1996年から2015年の間にカナダのオンタリオ州においての、35歳以上の成人のCOPD罹患率を分析しました。
この研究のために、研究者らは1996年から2015年の間にカナダのオンタリオ州で35歳以上の成人のCOPD率を分析しました。
HIVに罹患するカナダ人の40%以上がオンタリオ州に住んでいます。
エイズの原因となるウイルスを持たない人と比較して、HIV感染者である人はCOPDの発生率が34%高く、一般の人よりも約12年早く(一般人の62歳に対して50歳)、肺疾患と診断されていました。
報告によると、女性ではCOPDの割合はHIVのある人の方がそうでない人よりも54%高いことがわかりました。
「COPDは一般に、時間とともに悪化する疾患であり、人の生活の質を悪化させる可能性がありますが、それは喫煙と強く関連しています。」
とアントニオ氏は述べました。
COPDは世界中で3億8千万人以上の人が罹患しており、2030年までに世界で4番目に主要な死因になると予測されています。
HIV感染者の喫煙率が高いことがCOPDのリスクの増加を説明しているように思われると研究著者らは述べました。
この研究は、2月18日に医学誌CMAJ Openのオンライン版に掲載されました。
【以下のリンクより引用】
Another HIV Hazard: Higher Risk for COPD
HealthDay