LSDとキノコによるうつ病の症状軽減のメカニズムが判明
生物工学者と神経科学者の国際チームが、2種類の幻覚性化合物を投与された患者のうつ病の症状を軽減するメカニズムを発見しました。
Nature Neuroscience誌に報告されたマウス研究において、同グループは、うつ病の症状の改善に関連する神経可塑性のタイプに関与する結合受容体を単離しました。
Nature Neuroscience 誌の編集者は、この新しい研究に際してチームが行った作業概要を同じ雑誌の同じ号に掲載しました。
数年前から、メンタルヘルスの専門家の間では、マジックマッシュルームやLSDなどのいわゆる「サイケデリックドラッグ」が慢性うつ病患者の症状を軽減できることが知られていました。
しかしこれまで、そのような化合物がどのように機能するかについては不明でした。
専門家のほとんどは、それが両方の種類の化合物に含まれる化学物質であると疑っていましたが、別の専門家は、そのような薬物に関連した幻覚症状がうつの症状を和らげたと主張しました。
この新たな研究を行った研究者らは、それが前者であることを発見したのです。
研究チームは、研究室でペトリ皿の上の細胞にサイロシンまたはLSDを添加し、何が起こったかを顕微鏡で観察しました。
より具体的には、化合物の中の化学物質と受容体細胞の間の相互作用を観察し、どれが結合する可能性があるかを調べました。
試行錯誤を重ねた末、彼らは最終的に、化学物質の一部がうつ病の治療のために開発された薬が標的とする受容体と同じ受容体である受容体TrkBに結合していることを発見しました。
ただそれらは1,000倍強い結合を形成していたのです。
彼らはまた、そのような強い結合の結果が、神経可塑性活動が増加すること、つまりうつ病の症状の軽減に関与すると考えられているメカニズムであることも発見しました。
研究者らはその発見に興味をそそられ、ストレスの多い状況にさらされてうつ病に陥ったマウスにLSDまたはサイロシンを投与しました。
次に彼らは脳を解剖し、ペトリ皿で観察されたのと同じ種類の結合を発見しました。
彼らはまた、この結合による抗うつ効果は、サイケデリックな体験や幻覚を引き起こす原因となるセロトニン受容体を変化させる薬物に含まれる化学物質の影響とは無関係であることも発見しました。
そしてそれは、研究チームがそのような経験を誘発せずに患者を治療する方法を見つけた可能性があることを意味しています。
【以下のリンクより引用】
Mechanism behind reductions in depression symptoms from LSD and mushrooms found
Medical Xpress
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