NICEが推奨する3つの糖尿病薬
2016年5月25日 - イギリス国立医療技術評価機構(NICE)は、2型糖尿病の治療薬として個々に使用されている3つの既存薬についての推薦ガイダンスを発行しています。
NICEは、標準的な糖尿病の治療が適していなかったり、食事と運動のみが効果的に血糖値を抑制できない場合に、カナグリフロジン(商品名:インボカーナ)、ダパグリフロジン(フォシーガ)、およびエンパグリフロジン(ジャディアンス)を使用することができると述べています。
これは約31,000人が一人当たり約£475(約67,500円)の年間コストで、新しい治療法の対象となり得ると考えられます。
声明の中で、NICE医療技術評価センターの所長、キャロルロンソン教授は次のように述べました。
「2型糖尿病は、長期的な疾患であり、それとともに暮らす人々に深刻な影響を与えます。そして、治療法は個々に合わせて調整する必要があります。
血中グルコースレベルが、食事療法と運動のみでは制御できない多くの人々に提供された最初の薬物療法はメトホルミンです。
しかし、一部の人には吐き気や下痢の症状があり、また、患者の腎臓に疾患がある場合は、服用できないことがあります。スルホニル尿素またはピオグリタゾンを服用できない患者のために、このガイダンスで推奨される3種の薬剤を考慮することができます。」
「委員会では、糖尿病を患う人々、そして、その臨床医が2型糖尿病の管理を支援するための追加の治療選択肢を持つことを重視し、このカナグリフロジン、ダパグリフロジンとエンパグリフロジンに関するガイダンスが提供されました。」
カナグリフロジン、ダパグリフロジンとエンパグリフロジンは、ナトリウムグルコース共輸送(SGLT-2)阻害剤と呼ばれる薬の新しいクラスに属する、一日一回服用の錠剤です。
これらの薬物は、腎臓におけるグルコースの再吸収をブロックし、尿とともに身体から過剰となったグルコースの除去を促進することによって作用します。
これらの薬剤は、以前、英国の国民保健サービス(NHS)は、単独での治療よりむしろ、他の糖尿病薬と組み合わせての使用がで考えられました。
副作用のリスクのない薬はありません。
4月には、欧州医薬品庁(EMA)は、カナグリフロジンの臨床試験において、下肢切断の速度を増大させる可能性があることを発見した後に、見直しを発表しました。
米国の薬剤レギュレータは、最近、これら3つの薬物のすべてについて、ケトアシドーシスと呼ばれる生命を脅かす症状につながる可能性があるという警告を発しています。
(記事元)http://www.webmd.boots.com/diabetes/news/20160525/nice-recommends-3-diabetes-treatments