PD(腹膜透析)関連感染の予防におけるムピロシンとゲンタマイシン局所薬の有効性を比較
ゲンタマイシン局所薬は、新しい体系的レビューおよびメタ分析によれば、腹膜透析(PD)患者のグラム陰性菌感染症に対する予防での使用はムピロシンより優れています。
一般的なグラム陰性桿菌であるシュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas
fluorescens)によって産生されるポリケチド抗生物質であるムピロシン(Mupirocin)は、ほとんどの医療施設で現在行われているケアの基準であり、グラム陽性菌に対して有効であることが証明されています。
しかし、最近、グラム陰性菌の感染が増加しています。
「我々の意見として、ゲンタマイシンクリームは、グラム陰性の出口部位感染や腹膜炎の発生率が比較的高い施設において、より良い選択肢となるでしょう。」と台湾のマッケイ医科大学のシーピン・チェン博士と博士のチームはAmerican Journal of
Surgeryのオンライン版に掲載された論文で述べています。
グラム陰性感染症は、腸管などからの接触汚染が原因となる可能性があります。資料によると、グラム陰性細菌による腹膜炎は、入院や、カテーテルの喪失、およびPDの不全につながることが多いといいます。
研究者らは、ムピロシンで治療した458人の患者とゲンタマイシンで治療した患者448人を対象とした7件の研究のメタア分析で出口部位感染のリスクを評価しました。
彼らは、グラム陽性菌からの出口部位感染のリスクが両群で同様であることを見出しました。しかし、グラム陰性の出口部位感染は、ムピロシン患者の中でより高い割合で起こりました。患者の年齢は平均50歳代でした。
研究者らは、397人のムピロシンおよび388人のゲンタマイシン患者が関わった6件の研究の分析に基づいて、グラム陽性とグラム陰性の腹膜炎率に差異がないことを見出しました。
腹膜炎は出口部位感染後に起こりえます。
研究者らによれば、1件の腹膜炎は、正常に18カ月ごと(または0.67回/年)に発生する可能性があります。
「ゲンタマイシンは、黄色ブドウ球菌以外のグラム陽性菌によって引き起こされる出口部位感染の発生率が高い人への使用も考慮できるかもしれません。」とチェン博士とチームは付け加えました。
「逆に、ムピロシンは、黄色ブドウ球菌感染の組織発生率と有病率が高い場合により有利です。」
【以下のウェブサイトより引用】