1日1回投与の「ゼルヤンツ徐放性製剤」、新薬承認申請をFDAが受理
米国のファイザー社は7月2日、メトトレキサート(MTX)で効果不十分な中等度から重度の関節リウマチ患者の治療を適応とする1日1回投与の「ゼルヤンツ(R)11mg徐放性製剤」(一般名:トファシチニブ クエン酸塩)の新薬承認申請(NDA)が米国食品医薬品局(FDA)により受理されたことを発表した。
ゼルヤンツは、関節リウマチ治療において世界で初めて開発されたJAK(JanusKinase:ヤヌスキナーゼ)阻害剤。経口投与でありながらも、IL-6をはじめとしたサイトカインの細胞内シグナル伝達を抑制することで関節リウマチの疾患活動性、関節破壊の進展を抑制し、身体機能を改善すると考えられている。中等度から重度の関節リウマチの治療薬として、世界40か国で承認されており、米国の同剤の添付文書には、重篤な感染症と悪性腫瘍に関する枠組み警告文(boxed warning)が記載されている。
1日1回投与のゼルヤンツ11mg徐放性製剤に関する今回のNDAは、同剤と1日2回投与のゼルヤンツ5mg錠の主要な薬物動態パラメータの同等性を示すことを目的に実施された臨床試験で得られたデータをもとに行われた。承認されれば、MTX治療で効果不十分な中等度から重度の関節リウマチ患者に対し、1日1回投与の経口JAK阻害剤を初めて提供するという目標に近づくことになると、ファイザーは述べている。
同社は、リウマチ学、皮膚科学、消化器病学といった分野で、さまざまな免疫介在性の炎症性疾患に関する強力な臨床開発プログラムを実施することにより、JAK阻害とゼルヤンツに関する科学的知見を積み上げているという。
現在、中等度から重度の慢性尋常性乾癬で、全身療法または光線療法の対象となる成人患者を適応とした1日2回投与のゼルヤンツ10mgおよび5mg錠の医薬品承認事項変更申請が、FDAによって審査されている。また、中等度から重度の関節リウマチにおけるゼルヤンツの臨床開発プログラムが世界規模で実施され、現在までに約6,200名の患者を対象に、関節リウマチに対するゼルヤンツのリスク・ベネフィットが評価されている。
-ファイザー株式会社 プレスリリースより。-
【記事元】http://www.qlifepro.com/news/20150714/