2型糖尿病治療薬が、がん死のリスクを低減
-メトホルミンを服用中の年配女性に生存率の向上
2016年4月15日(金曜日)
メトホルミンは、一般的に処方される糖尿病薬ですが、2型糖尿病を患う閉経後の女性において、いくつかの癌においては、その癌による
死亡のリスクを減らすということが、新しい研究でわかりました。
この研究では、2型糖尿病の持病を持ち、癌を患う女性は、癌で死亡する確率が糖尿病でない癌の女性に比べて45%高いと思われましたが、2型糖尿病を治療するために、メトホルミンを服用していた癌患者の女性では、癌による死亡のリスクは、糖尿病でない癌患者の女性とほぼ同じであることがわかりました。
「この大規模な研究による我々の調査結果は、糖尿病や癌を患う閉経後の女性が、他の抗糖尿病治療と比較して、メトホルミンでの治療の方がより有益であることを証明しています。」と、
主任研究員のGong Zhihong氏は述べました。
彼女はニューヨーク州バッファローにあるロズウェルパーク癌研究所の腫瘍学の助教授です。
Gong氏は、しかしながら、この研究はメトホルミンが癌を防止するということを証明しているわけではなく、癌による死亡のリスクの低減との関連付けがわかったということだと警告しています。
そして、彼女はより多くの研究は、がんによる死亡のリスクを減少させることで、メトホルミンの役割の可能性を把握するために必要であると付け加えました。
この報告書は、癌国際ジャーナル誌の4月15日号に掲載されました。
メトホルミンは、2型糖尿病の治療における第一選択薬として知られていると、米国糖尿病協会(ADA)は述べています。
2型糖尿病の患者は、膵臓がより効率的にインシュリンを作り出すことを促すホルモンの使用に困難があり、それが最終的にできなくなります。
インスリンは、摂取した炭水化物を体のエネルギーに変えるために必要なホルモンです。
メトホルミンは、インスリンに対する体がより敏感になり、インスリン抵抗性を減少させると、研究者らは述べました。
研究チームは、ほぼ、14万6000人の閉経後の女性のデータを検討しました。研究対象者の年齢は、50歳から59歳で、これらの情報は1993年から1998年の間に収集されましたが、これは大規模な女性の健康イニシアチブの研究となりました。
研究者らは、この研究においては2型糖尿病の女性に焦点を当てました。そのため、21歳前に1型糖尿病と診断された女性の情報は削除しました。
特定の癌を見てみると、糖尿病で閉経した女性でのリスクは、結腸癌および子宮内膜癌および非ホジキンリンパ腫は、糖尿病でない癌患者の女性と比べ、約25%から35%高いように思われました。
また、肝臓癌と膵臓癌では2倍以上であったことが研究によりわかりました。
「私達の調査結果は、糖尿病は癌およびがん関連死の危険因子のままではあるものの、他の糖尿病治療薬と比較して、メトホルミンの治療法は、「管理」という意味で、糖尿病で癌を患う患者においては、重要な役割があることを示しています。」とGong氏は述べました。
研究に関与していなかった糖尿病の専門家のひとりは、結果の解釈には慎重でした。
研究では、わずかなリスク低減が見られたものの、それは長期間、薬の服用に依存ています。と、ニューヨークのモンテフィオーレ医療センターの臨床糖尿病センター長であるジョエルゾンゼイン博士は述べました。その上で、より多くの研究が、癌リスクに対してのメトホルミンの長期的な効果を決定するための研究が進んでいるとつけ加えました。
「我々はまだ糖尿病に使用されるこの最古参の治療薬の作用について、正確なメカニズムを理解していません。」と、ゾンゼイン博士は述べました。
「今後、この研究論文に示されているように、メトホルミンが癌亡率を減少させ、また、寿命を延ばすという正の効果が証明されるかもしれません。」
記事元:http://www.everydayhealth.com/