それってOCD?!
周りにいる「神経質でうざい人」の文句を言ったことがありますか?
私たちのほとんどは、本を執拗にまっすぐに並べる友人や、毎日テーブルをゴシゴシこする同僚など、ちょっと変わった人に対してCOD(強迫性障害)という言葉を投げつけてしまいます。
しかし、簡単に言ってしまうOCDという障害が、実際には治療を必要とする深刻な精神状態である可能性があるので、OCDについてはもっと詳しく知っておいた方が良いのかもしれません。
OCD(強迫性障害)とは、本人の意志とは無関係に不合理な行動や思考を繰り返してしまう、不安障害です。
つらい幻想などに悩まされるあまり、その幻想から気をそらすために、例えば、数を逆に数えるなど、自分でそこから逃避するための「儀式」を作り出してしまうのです。
どういうわけか、患者はその「儀式」により穏やかな気分を取り戻すのです。 メンタルヘルス研究所(IMH)によって2010年に行われた調査によると、OCDは、大うつ病性障害やアルコール乱用と共にシンガポールでトップ3に入る最も一般的な疾患の一つとして浮上しています。
IMHの調査ではシンガポールの32人に1人が生涯のある時点において、OCDを患うことを示しました。
しかし、今年の10月に3000人の被験者に行われたより最近の研究では、他の精神疾患と比較して、OCDは比較的シンガポールでよく認識されていることが示されました。 マインド事項と呼ばれる研究では、心の健康リテラシーの研究として、5つの一般的な精神障害(アルコール乱用、認知症、大うつ病性障害、OCDと統合失調症)についての人々の認識と信念の情報を得たところ、OCDの認識度は28.7%で、比較的劣っていました。 その他の認識度については、最高が、認知症(66.3%)、それに続いて、アルコール乱用(57.1%)と大うつ病性障害(55.2%)と続き、統合失調症は、11.5%で、認識度は最低でした。 最近、逮捕されたメイドの虐待事件の容疑者のケースを例に見てみましょう。
裁判所はメイドの雇用者である、チョン・スイフーン容疑者は、OCDに苦しんでおり、それゆえに、毎回メイドのテルマさん(40歳)がシャワーを浴びた後、
神経質なまでシャワールームを掃除することが苦痛となったチョン容疑者が、テルマさんに対して公共トイレでシャワーを浴びるように指示したと伝えました。
話を聞いた3人の精神科医によると、このような例は、OCDのより一般的な症状です。
強迫観念にかられた掃除、物事の確認の上に再確認、コレクションや買いだめなどもまた、OCDの一般的な症状です。
【単なる潔癖症とOCD患者の区別】
『Dr BL Lim Centre for Psychological Wellness』を開業している精神科医のリム ブーンレン博士によると、完璧主義とOCDを患っている人の線引きは困難ではないそうです。
OCDは、時間をかけてそうなっていった状態であり、それはもともと繊細であった患者が「自然の状態」の中で影響を受けたものです。
一方で、完璧主義というのは生まれつきのものなのです。
「完璧主義者は、手洗いでさえも楽しめたり、毎日部屋の掃除をすることも、さして苦痛にはならず、むしろその状態に満足するのですが、一方で、同じ行動がOCDの患者には、苦痛となってしまうのです。」とリム博士は述べています。
OCDは、複数の要因が原因で発生することがわかっています。
博士によると、 脳、または、機能不全の神経伝達においてのセロトニンの欠如などの生物学的要因や環境からのストレスなどの外部要因の組み合わせである可能性があり、また、いくつかのケースでは遺伝性もあります。
彼が遭遇した患者の多くは、9歳か10歳の少年期に症状を起こしています。
症状は少なからず波があり、治療せずにおくと悪化して慢性状態になり、何年も続くのです。
LPクリニックを開業する精神科医のライオネル リム博士は、その行動が脅迫的であるかどうかの識別は、社会規範を通して判断できると述べました。
例えば、「普通の人」は、トイレに行った後、手を洗うのにかかる時間は、せいぜい数秒といったところでしょう。
しかし、手を洗うのに10分くらいかかってしまう場合は、OCDを患っている可能性があるのです。
彼が治療を行った患者の1人は、彼の手洗いの頻度と時間のせいで、家族2人の世帯にも関わらず、毎月の水道料が100ドル~200ドル(日本円にして、8,500円~17,000円)にも跳ね上がってしまったそうです。
「周りの人が患者をサポートすることの重要性を認識していないと、ご夫婦、および家族など対人関係全てに多大な影響を与えてしまいます。私は結婚生活が破たんしたり、家族が崩壊した例を知っています。」と彼は、述べました。
また、彼は、妻がOCDだという2日前に会った男性の話を例に取りました。
男性の妻は、毎日午前9時から午後9時まで働き、毎日複数回、同じ仕事を確認するという衝動行動のため、会社には1番手に出勤し最後に会社を退社する、という生活を送っていました。
彼女の仕事が非効率的であったかどうかは別として、それは家族と一緒に過ごすことのできた貴重な時間を奪いました。
また、帰宅するやいなや、家の掃除を始め、寝る時間まで掃除を続けるため、当然、夫と子供に費やす時間がありません。
そして、その生活パターンは翌日も、またその翌日も繰り返されるのです。
OCDは、生物学的並びに行動障害であるため、精神科医は、抗うつ剤と認知行動療法や疑似体験療法などの組み合わせにより治療ができるとしています。
そうして、患者は徐々に脅迫感から解放されていくのです。 思い当たるようであれば速やかに受診しましょう。
【記事元】 http://themiddleground.sg/2015/12/19/do-you-think-he-has-ocd/
私たちのほとんどは、本を執拗にまっすぐに並べる友人や、毎日テーブルをゴシゴシこする同僚など、ちょっと変わった人に対してCOD(強迫性障害)という言葉を投げつけてしまいます。
しかし、簡単に言ってしまうOCDという障害が、実際には治療を必要とする深刻な精神状態である可能性があるので、OCDについてはもっと詳しく知っておいた方が良いのかもしれません。
OCD(強迫性障害)とは、本人の意志とは無関係に不合理な行動や思考を繰り返してしまう、不安障害です。
つらい幻想などに悩まされるあまり、その幻想から気をそらすために、例えば、数を逆に数えるなど、自分でそこから逃避するための「儀式」を作り出してしまうのです。
どういうわけか、患者はその「儀式」により穏やかな気分を取り戻すのです。 メンタルヘルス研究所(IMH)によって2010年に行われた調査によると、OCDは、大うつ病性障害やアルコール乱用と共にシンガポールでトップ3に入る最も一般的な疾患の一つとして浮上しています。
IMHの調査ではシンガポールの32人に1人が生涯のある時点において、OCDを患うことを示しました。
しかし、今年の10月に3000人の被験者に行われたより最近の研究では、他の精神疾患と比較して、OCDは比較的シンガポールでよく認識されていることが示されました。 マインド事項と呼ばれる研究では、心の健康リテラシーの研究として、5つの一般的な精神障害(アルコール乱用、認知症、大うつ病性障害、OCDと統合失調症)についての人々の認識と信念の情報を得たところ、OCDの認識度は28.7%で、比較的劣っていました。 その他の認識度については、最高が、認知症(66.3%)、それに続いて、アルコール乱用(57.1%)と大うつ病性障害(55.2%)と続き、統合失調症は、11.5%で、認識度は最低でした。 最近、逮捕されたメイドの虐待事件の容疑者のケースを例に見てみましょう。
裁判所はメイドの雇用者である、チョン・スイフーン容疑者は、OCDに苦しんでおり、それゆえに、毎回メイドのテルマさん(40歳)がシャワーを浴びた後、
神経質なまでシャワールームを掃除することが苦痛となったチョン容疑者が、テルマさんに対して公共トイレでシャワーを浴びるように指示したと伝えました。
話を聞いた3人の精神科医によると、このような例は、OCDのより一般的な症状です。
強迫観念にかられた掃除、物事の確認の上に再確認、コレクションや買いだめなどもまた、OCDの一般的な症状です。
【単なる潔癖症とOCD患者の区別】
『Dr BL Lim Centre for Psychological Wellness』を開業している精神科医のリム ブーンレン博士によると、完璧主義とOCDを患っている人の線引きは困難ではないそうです。
OCDは、時間をかけてそうなっていった状態であり、それはもともと繊細であった患者が「自然の状態」の中で影響を受けたものです。
一方で、完璧主義というのは生まれつきのものなのです。
「完璧主義者は、手洗いでさえも楽しめたり、毎日部屋の掃除をすることも、さして苦痛にはならず、むしろその状態に満足するのですが、一方で、同じ行動がOCDの患者には、苦痛となってしまうのです。」とリム博士は述べています。
OCDは、複数の要因が原因で発生することがわかっています。
博士によると、 脳、または、機能不全の神経伝達においてのセロトニンの欠如などの生物学的要因や環境からのストレスなどの外部要因の組み合わせである可能性があり、また、いくつかのケースでは遺伝性もあります。
彼が遭遇した患者の多くは、9歳か10歳の少年期に症状を起こしています。
症状は少なからず波があり、治療せずにおくと悪化して慢性状態になり、何年も続くのです。
LPクリニックを開業する精神科医のライオネル リム博士は、その行動が脅迫的であるかどうかの識別は、社会規範を通して判断できると述べました。
例えば、「普通の人」は、トイレに行った後、手を洗うのにかかる時間は、せいぜい数秒といったところでしょう。
しかし、手を洗うのに10分くらいかかってしまう場合は、OCDを患っている可能性があるのです。
彼が治療を行った患者の1人は、彼の手洗いの頻度と時間のせいで、家族2人の世帯にも関わらず、毎月の水道料が100ドル~200ドル(日本円にして、8,500円~17,000円)にも跳ね上がってしまったそうです。
「周りの人が患者をサポートすることの重要性を認識していないと、ご夫婦、および家族など対人関係全てに多大な影響を与えてしまいます。私は結婚生活が破たんしたり、家族が崩壊した例を知っています。」と彼は、述べました。
また、彼は、妻がOCDだという2日前に会った男性の話を例に取りました。
男性の妻は、毎日午前9時から午後9時まで働き、毎日複数回、同じ仕事を確認するという衝動行動のため、会社には1番手に出勤し最後に会社を退社する、という生活を送っていました。
彼女の仕事が非効率的であったかどうかは別として、それは家族と一緒に過ごすことのできた貴重な時間を奪いました。
また、帰宅するやいなや、家の掃除を始め、寝る時間まで掃除を続けるため、当然、夫と子供に費やす時間がありません。
そして、その生活パターンは翌日も、またその翌日も繰り返されるのです。
OCDは、生物学的並びに行動障害であるため、精神科医は、抗うつ剤と認知行動療法や疑似体験療法などの組み合わせにより治療ができるとしています。
そうして、患者は徐々に脅迫感から解放されていくのです。 思い当たるようであれば速やかに受診しましょう。
【記事元】 http://themiddleground.sg/2015/12/19/do-you-think-he-has-ocd/