オキシトシン投与、自閉症状に効果
発達障害の一種で、相手の意図をくみ取ることが苦手な自閉スペクトラム症患者のコミュニケーション障害
が、ホルモンの一種「オキシトシン」で改善することが行動や反応で確認されたと、東京大の山末英典准教
授(精神医学)らが英科学誌に発表した。
効果が実際の対人場面で確かめられたのは初めてという。
オキシトシンは脳で分泌され、陣痛や母乳分泌を促す薬として使われている。研究チームは、自閉症の男性患者20人に、オキシトシンと偽薬を1日2回6週間、鼻に噴霧して効果を比べた。
患者へのインタビューや、パズルやゲームを共同で行った際の表情や視線、会話などをチェックして点数化し、判定した。その結果、オキシトシンを噴霧した方が、重症度を示す数値が偽薬より約2割低かった。
理化学研究所脳科学総合研究センターの加藤忠史・副センター長(精神医学)は「6週間使っても効果が落ちず、治療法の候補になり得ることを示している」 と話している。
(2015年9月7日 読売新聞)
記事元:http://www.yomidr.yomiuri.co.jp