デュタステリドはTURPに関連した失血を減らす
専門家によると、TURP(経尿道的前立腺切除術 - 症候性前立腺肥大症のための鉄板治療術)を受けたおよそ5,100人の男性が術後出血があったと推測しています。
この出血はよくあることで、時には長期化することもあります。
患者は排泄能力を損なったり、時には輸血の必要性も生じるほどの出血となり、血塊分泌を閉止するという困難が生じます。
研究では、5α還元酵素阻害薬のフィナステリドが、このTURP関連の出血を減少させることができることを示しています。
医療関係誌、The World Journal of Men’s Healthで発表された研究によると、デュタステリドも同様の特性を持っていることを示し、また、この結果を示した以前の研究を検証しています。
本研究の仮説では、これは前立腺内のジヒドロテストステロンと前立腺組織の血管分布を減少させるといったデュタステリドのメカニズムに基づいていた作用によるものと考えられています。
研究者は、2週間デュタステリドによる前期治療後、TURP中の周術期および術後出血を評価しました。
研究者はTURPに適用される前立腺肥大症の患者83人を被験者として登録しました。彼らのうち、40人の患者は、手術前の2週間デュタステリドを、1日0.5 mg処方されました。また、その対照群の43人の男性にはデュタステリドまたは他の5α還元酵素阻害薬は処方されませんでした。
研究者は手術直後の24時間後の失血量、留置型尿道カテーテルの期間、継続的な生理食塩水での膀胱洗浄期間、および入院期間について測定しました。
デュタステリド投与群では、対照群よりも手術直後24時間での平均失血が低下しました。
手術後、臨床医は、血尿が停止するまで、膀胱洗浄および尿道フォーリーカテーテルの使用を指示しました。
デュタステリドで治療された患者はTURPの術後においての、尿道カテーテルの使用、連続生理食塩水での膀胱洗浄、および入院日数なども少ないことがわかりました。
両群の患者は、プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、血液凝固、および出血時間も似通ったものでした。
これにより、研究者たちは、デュタステリドはTURP中の血管分布に関連した出血に影響を与えるとの確信に至りました。
研究者は、臨床医は、アスピリンや抗血小板療法を受けている患者のためにTURPの術前にデュタステリドを短期で使用することを考慮するよう言及しています。
(出典)http://www.hcplive.com/medical-news/dutasteride-reduces-turp-related-blood-loss