前立腺肥大や育毛薬共通の副作用

現在、良性前立腺肥大（BPH）の治療のために、一般的にプロスカーやアボダートとして知られているフィナステリドまたはデュタステリドを服用している男性の25％は、これらの薬の服用のメリットがないように思われます。

プロペシアまたはアボダートは、『脱毛症』として知られている男性型の脱毛用の薬物ですが、それによって誘発される有害事象の危険性もあります。

これらの知見は、現在、オンラインジャーナル内で、内分泌や代謝疾患についての国際的、協調的な見直しをされている案件の一つです。それは、ボストン大学メディカルスクール（BUSM）で生化学および泌尿器科の教授であるアブドゥマジッド　トレイシュ博士が率いて、現在、入手可能なデータと性機能に対するこれらの薬剤の影響だけでなく、インスリン抵抗性、うつ病や認知機能障害についてまとめています。

フィナステリドとデュタステリドは5α還元酵素阻害剤（5α-RIS）として知られている薬物のグループです。
これらは、他の重要なステロイドホルモンなどと同様、テストステロンを5αジヒドロ（5α-DHT）へ変換することを阻害することによって機能します。
前立腺において5α-DHTの濃度を減少させることによって、前立腺の体積が減少し、それにより尿の流れを改善します。

5α-Rlsの副作用の重症度および持続性については、かなり色々な論争があります。
しかし、新しい臨床的証拠は、強く、これらの治療が、性的に有害な副作用と関連していることを示唆しています。

フィナステリドの注意書きには、副作用として18%の患者に性欲の喪失、および/または、減少、10%の患者に勃起不全などが報告されています。
一部の患者には、これらの副作用が治療を止めた後にも継続する可能性があります。
研究者による性的な副作用の報告は、早期治療時、最初の6ヶ月に示され、その後にベースラインに戻るという提案が正確ではないとしています。
「機能障害のメカニズムは、5α-DHTにおける直接的な減少と、中枢および末梢神経の両方への直接的な影響に関連し、おそらく多因子です。」と、　トレイシュ博士は説明しています。

性的な副作用に加えて、5α-Rlsが、前立腺癌の化学予防のために使用することができるかどうかを試みた、いくつかの研究がありましたが、研究者達は、そのデータが決定的ではないことが分かりました。 これらはまた、心血管系の治療の副作用の可能性について、さらなる調査が必要であることを示していると考えられます。

「5α-R活性の阻害は、インスリン抵抗性、2型糖尿病、血管疾患および骨粗鬆症を増強することがありますが、その研究は、決定的なのもがなかったのです。5α-Rlsの精神医学的副作用への調査は限定されてきましたが、いくつかの症例は、薬物治療を受けている患者の間でうつ病や不安症状の増加について説明します。」と彼は付け加えました。

米国立ヘルス研究所は、最近、遺伝や希少疾患情報センターに『ポストフィナステリド症候群（PFS）』を追加しました。PFSの具体的な診断基準はまだ記載されていません。
PFSのさらなる研究が、長期的な副作用および重症度との関係を決定するために必要とされます。

著者らは、5α-Rlsの有害な副作用についての教育・啓発が、臨床医、患者問わず必要とされていると主張しています。
トレイシュ博士は、このように述べています。
「これらでの治療が誰に効果的で誰に効果的でないのか、を区別する方法を知る必要があります。」

著者らはまた、5α-Rlsの有害な副作用についてさらに調査が必要であると、考えています。

出典：http://medicalxpress.com/news/2015-08