新しい血液希釈剤は、脚の血栓にも安全？

（HealthDay） -
重篤な出血のリスクが少ないと新しい研究で示されている新薬のエリキュースは、脚と肺の中の危険な血栓の標準的な治療を防ぐことができます。
ニューイングランド医療ジャーナルのオンラインに7月1日発表された研究では、医師に対し静脈血栓塞栓症のリスクがある患者における反復血液凝固を防止するための高価ではあるがよりシンプルな方法を指しています。

静脈血栓塞栓症は、二つの関連する状態が含まれています。深部静脈血栓症（DVT）と肺塞栓症です。また、それとあわせて国立病院の退院調査によると、これらの病状により、米国では50万人以上が毎年入院しています。

DVTは、腫脹、発赤、暖かさと痛み原因と脚の深部静脈の血栓形態です。
もし、血栓が崩壊した場合は、脳、心臓や他の重要臓器の近くに移動停滞し深刻な損傷を引き起こします。
肺の中の血管を血塊が塞いだ場合は、肺塞栓症（PE）と呼ばれる生命にかかわる緊急事態となります。PEは心臓発作や脳卒中後の心血管死因の第3位です。

静脈の血栓は予兆なしに発生しますが、特定の要因は、肥満、高血圧、長距離旅行、大気汚染、喫煙、妊娠または最近けがなどで手術を受けた人でそのリスクが増加します。
静脈血塊が見つかった多くの場合、医師はリスクを下げるために薬を処方し、別のリスクの可能性が高くなります。

何年もの間、血液凝固を防ぐためには、ワファーリンより販売されているワルファリンと呼ばれる薬剤が一般的でした。

ワルファリンもよく作用されますが、正しい線量を服用していることを確認するため、治療開始時に薬を服用中は定期的な血液検査を毎週する必要があります。そしてその用量は、週に一日または週に一日から変更することができます。
その有効性に伴いワルファリンと相互作用することができる食品や薬も多数あります。

「高齢者に全て問題なく作用し効果を得ることは本当にチャレンジングだ。」と、研究著者である、カナダのオンタリオ州にあるマクマスター大学の医学部教授、ジェフリー・ワイツ博士は述べています。

エリキュースは米国食品医薬品局（FDA）により承認されています。
ワルファリンと同様に、エリキュースは、血液凝固を防ぎますがワルファリンよりもわずかに異なる方法で作用します。
また、はるかに簡単に管理できること、定期的な血液検査や投与量の変更を必要としません。

新しい研究では、研究者は、静脈血栓塞栓症の既往歴のある5,400人の患者において、ワルファリンとエリキュースを比較しました。
研究参加者の平均年齢は57歳で約60％が男性でした。そのうち65％は、DVTの既往がありました。
また約25％は、PEの既往歴を持っていました。そして、約9％がDVTおよびPEの両方を持っていました。

研究参加者の半数は、6カ月の間、1日2回5mgの用量に削減する前に、エリキュースを1日2回10mgを 7日間摂取しました。
残りの半数の参加者は、1日2回、血液希釈薬ロベノックス（低量ヘパリン）注射を開始、毎日、個人処方されたワルファリンでの療法を続けました。

半年後、エリキュース群での59人の患者と、標準的な治療を行った71人の患者に新しい血栓が見られました。
これらの患者のうち、エリキュース群では12人の患者、ワルファリン群では15人の患者が血栓により死亡するという結果となりましたが、両薬剤が、同様に良好に約働いていることが示されました。
しかしエリキュースを服用した患者では、ワルファリンを服用した患者と比べて、重篤な出血は少ないものでした。
エリキュースを服用した2,676人の患者のうち、15人は、薬物による大出血があり、ワルファリンを服用した2,689人の患での大出血は、49人でした。

「それは、従来の治療法に比べて、大出血を起こす患者が、エリキュースでは約70％削減されました。それは大変大きな結果です。」と、ワイツ氏は述べています。
重篤な出血を超えて、エリキュースを服用する人々は、また、歯ぐきや鼻からの出血を減らし、それにより薬の服用を中止できるとワイツ氏は述べています。

「私はそれが非常に重要だと思います。」と、過去3年以内に、他の製薬会社とともに、ブリストル・マイヤーズスクイブ社やファイザー社の研究のためのコンサルタントのスポンサーとなっていたことを報告しワイツは、また、この研究に関与していない別の専門家にも合意されました。

「この新しい治療法は、治療計画を簡素化する患者の利便性を向上し、実質的に静脈血栓塞栓症の治療の安全性を高めるという、大変魅力的な新しい選択を作り出します。」
と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の共同ディレクターで、デヴィッドゲフィン医学学校の予防心臓学プログラムのデヴィッド・ゲフィン博士は述べています。

（記事元）http://medicalxpress.com/news/2013-07