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【新薬】日本初のIFNフリーC型肝炎経口治療薬

【新薬】日本初のIFNフリーC型肝炎経口治療薬

 2014年7月4日、抗ウイルス薬ダクラタスビル塩酸塩(商品名ダクルインザ錠60mg)、アスナプレビル(商品名スンベプラカプセル100mg)の製造販売が承認された。適応は「セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変における(1)インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者(2)インターフェロンを含む治療法で無効となった患者のウイルス血症の改善」。成人にダクラタスビル1回60mgを1日1回、アスナプレビル1回100mgを1日2回、両薬剤を併用で24週間経口投与する。

 現在、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染している患者は世界で1億7000万人、日本では約120万人いると推定される。日本のC型肝炎患者の約70%が、既存の治療法では効果が得られにくいジェノタイプ1bのHCVに感染していることが判明している。また、多くは65歳以上であり合併症を有しているため、現在の中心的治療法であるインターフェロン(IFN)を含む治療が困難、または忍容性が低いことが問題となっていた。

 ダクラタスビル(DCV)とアスナプレビル(ASV)は共にHCVに対して抗ウイルス作用を有する、低分子の直接作用型抗ウイルス薬。DCVは、HCVの複製や細胞内シグナル伝達経路の調節に関与する非構造蛋白質5A(NS5A)を阻害することで抗ウイルス作用を発揮する、世界初のHCV NS5A複製複合体阻害薬である。

今回承認されたDCV/ASV併用療法は、IFNを使用せず経口薬のみでC型肝炎を治療する日本初の治療法である。DCV/ASV併用による国内第3相臨床試験では、ジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者またはC型代償性肝硬変患者において、優れた有効性が確認された。なお、併用による拮抗作用、細胞毒性の著明な増強、および交差耐性は認められなかった。

 薬剤使用に際しては承認時までの国内臨床試験から、62.0%に副作用が認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用は、ALT増加(17.6%)、AST増加(14.1%)、頭痛(12.9%)、発熱(11.8%)など。重大な副作用はALT増加(8.2%)、AST増加(5.9%)、血中ビリルビン増加(0.8%)の肝機能障害が報告されている。

=2014年8月4日 日経メディカルより抜粋=

記事元:http://medical.nikkeibp.co.jp/