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皮膚パッチによる無痛の糖尿病検査

皮膚パッチによる無痛の糖尿病検査

そのうち痛みのない糖尿病の検査装置が誕生します。と韓国の研究者らは述べています。
新規の本発明では、汗を介して血糖値を監視するパッチを使用し、微小針を使用し皮膚を介して糖尿病治療薬メトホルミンを投与します。

「糖尿病患者は、血糖値を管理することに消極的です。なぜなら、血液を収集する過程で痛みを伴うためです。」と、研究著者である韓国ソウル国立大学のリーヒュンジェ氏は述べました。
「我々は糖尿病患者のための非侵襲的モニタリングおよび治療システムに焦点を当てました。」

調査結果は雑誌ネイチャーナノテクノロジーのオンライン版に3月21日発表されました。
研究チームは、ソウル国立大学のキムデヒョン氏が主導し、研究のための資金は、韓国の基礎科学研究所によって提供されました。

現在、糖尿病の患者は、血糖(グルコース)のレベルをモニターするために、2つの選択肢があると、ジャーナルに付随論説を投書したリチャードガイ氏は述べました。
彼は、イギリスのバース大学の薬学教授です。

1つ目の選択肢は、検査のため一滴の血液を採取するために指スティックを必要とする血糖測定器です。
もう一つの選択肢は、センサーを皮膚の下に配置し、常に着用することを必要とする連続グルコースモニタリングです。これらの選択肢は両方とも、侵襲的で痛みを伴います。

以前は、グルコウォッチと呼ばれる侵襲性の少ない生成物が血糖値の測定装置に皮膚を通して血液を注入していました。しかし、そのデバイスは商業的には成功せず、市場から姿を消したとガイ氏は述べました。
韓国の研究チームは、薄く、柔軟なパッチを開発するために、グラフェンと呼ばれる物質を使用しています。グラフェンは電気を通すと、透明に柔らかく、また、非常に薄くすることができると研究者は説明しました。
パッチはまた、湿度、汗のグルコース濃度、pHおよび温度の検出など様々なセンサが含まれると研究者らは述べました。また、パッチには、熱に敏感な微小針が含まれています。

パッチは、血糖値を把握するために使用される「汗中グルコース」を測定するために汗を使用します。
リー氏は、汗中グルコースのセンサーの精度は、米国における家庭用血糖測定器と同様だと述べました。
ガイ氏は、多汗症の人にはパッチの使用は課題が提起される可能性があることを指摘しました。

しかし、研究者たちは、既にこの点を考慮にいれて採用したと述べました。
「我々は、生成された汗の量をチェックするために、糖尿病パッチに湿度センサを統合しました。
そのため、頻繁に汗をかく人でも感知に影響はありません。」と、ソウル国立大学の別の研究著者である、テヨンは述べています。

研究者は、2人でのパッチのグルコース感知能力をテストし、このデバイスが正確な血糖値を測定することを確認しました。

パッチの現在のバージョンで研究者らは、マウスに糖尿病治療薬メトホルミンを投与するため、6時間以上に渡り皮膚を通した微小針による薬の投与は、デシリットルあたり、400mgから、120mg血糖値を下げることができたと述べました。
米国国立図書館の医学書によると、糖尿病でない人に、ランダムに投与した場合の正常な血糖値は、デシリットルあたり125mg以下です。

1型糖尿病の患者の血糖値を下げるのに必要なホルモンである、インスリンは投与されませんでした。
その大きな理由は、微小針を介しての投与が困難なタンパク質であり、加熱処理により脆弱になるためと著者らは説明しました。

しかし、ガイ氏は、「このシステムの開発を進めるべきであり、より効果的に血糖値を下げることができる他の薬剤も考えられるかもしれません。」
「私は、メトホルミンは、概念実証の説明のために糖尿病患者に使用される薬剤の例として選ばれたと思います。」と述べました。

研究者らは、この装置は、1型または2型糖尿病患者のいずれかに使用することができると信じていると述べました。

しかし、ニューヨークのモンテフィオーレ医療センターの臨床糖尿病センターの所長である、ジョエルゾンゼン博士は、2型糖尿病の患者にとって、装置にかかる費用が実用的ではないかもしれないと述べました。
そして、彼はまたこう述べました。2型糖尿病の患者の血糖値は、1型糖尿病の患者ほど頻繁に検査する必要はありません。

「彼らは、汗パッチがモニタリングを行い、皮膚を通して薬物を送りこむことができるというコンセプトを証明しています。克服すべき障壁はあるものの将来的には非侵襲的に本当に糖尿病の聖杯ともなりえます。」と、ゾンゼン博士は述べました。

研究者は、彼らの次のステップは、血液グルコースセンサの長期安定性と精度を向上させることだと述べました。
リー氏らは、残る課題を解決し、装置を商品化するまでには、少なくとも5年ほどはかかるであろうと推定しています。

(出典)http://www.cbsnews.com/news