閉経が近づくと片頭痛が悪化
女性は閉経に近づくと片頭痛が悪化する。-アメリカのシンシナティ大学(UC)、モンテフィオーレ頭痛センター、アルベルト・アインシュタイン医学校の研究者からの報告です。
「更年期になると片頭痛が悪化するということを医師から伝えられることはよくありますが、今、我々は、その意見が正しかったという証拠を見出しました。」と、カリフォルニア大学神経科学研究所の頭痛や顔面痛プログラムの共同ディレクターで、一般内科の教授である、ビンセント・マーティン博士は述べました。しばしば頭痛を感じたり、月に10日以上頭痛が起こるなど更年期に片頭痛を感じる中年女性は、60%も増加しています。これは、閉経への過度期に起こる不規則な月経周期が原因です。」と、マーティン博士は述べています。
博士のチームは、閉経前、および更年期中に頭痛を感じたことのある3,664人の女性において、研究を行いました。
更年期の期間は閉経と更年期前後の両方が含まれます。そして女性が1年間月経がなかったときに閉経と判断されます。ほてりやイライラ、うつや不眠などの症状は、両方の期間にに共通して起こります。
「更年期の間に起こるエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの変化が、この時期に増加する頭痛を誘発する可能性があります。」と、博士のチームの主任研究者であるアルベルト・アインシュタイン医学校のリチャード リプトン博士は述べています。
「頭痛の発生リスクは更年期の後期に最も現れました。この時期は、月経が月イチで来なくなり始め、エストロゲンのレベルが低下するのです。」 アメリカの片頭痛有病率と予防(AMPP)調査の主任研究員でもあるリプトン博士はこのように追述しました。
マーティン博士は、研究に参加した女性もまた、頭痛の発生頻度が更年期に76%増加していることを報告したと述べました。
しかし、研究者は、それが必ずしも直接的なホルモンの変化が起こした結果ではなく、この時期によく見られる薬物乱用が原因ではないかもしれないと考えています。
「女性は、歳をとるにつれ頭痛や関節痛、背中の痛みなど多くの痛みが発生します。そして、頭痛や他の痛みに対して、鎮痛薬を過剰に使用してしまい、それが、更年期の女性たちに頭痛を起こす原因となっている可能性があるのです。」と、マーチン博士は述べています。
研究者らは、断面観察分析のためにAMPPから35歳から65歳までの女性のグループを同定しました。
AMPPは、長期的な研究で、深刻な頭痛のある24,000人の年間調査を6年間続けました。
片頭痛を持つ女性に対し、頭痛の頻度、ならびに月経周期の特性について尋ね、自己報告を受けました。自身の月経周期の特性に基づいて、彼女たちは3つのグループに分かれました。
*更年期前期(通常月経)
*更年期後期(月経周期異常期)
*閉経後(月経終了後)
米国の人口の約12%の女性は男性よりも頻繁に片頭痛があり、片頭痛に悩む女性は男性の3倍とも言われています。
更年期に近づき、片頭痛に苦しむ女性には救援があると、研究の共同著者であり、アルベルト・アインシュタイン医学校ののエレナパブロビッチ医学博士は説明しています。
「医師は、閉経前後の期間中に発生するこれらの変化を安定するホルモン療法を処方することができます。患者が前期更年期にある場合、経口避妊薬で安定化することができます。また、月経周期が狂い始める後期更年期にある場合は、エストロゲンパッチなどの使用が可能です。」と、パブロビッチ博士は述べています。
情報元: https://www.sciencedaily.com