関節リウマチの治療にハーブ
【ご注意】
この記事では、一年以上前に出版されている内容が含まれており、ここに提示された結論が変わっている場合がありますので、予めご了承下さい。また、健康についての質問は、常に医師または他の医療専門家とご相談ください。
「Thunder god vine(雷神つる)」と呼ばれる古代中国の薬事療法は、関節リウマチの炎症を鎮める効果があることが、新しい研究でわかっています。
その療法は、「雷公藤」として知られている漢方薬、Tripterygium wilfordii Hook F(TwHF) という薬用植物の抽出物です。
この漢方薬は、炎症性疾患の様々な治療に何世紀にも渡って使用されてきました。
研究では、漢方薬か抗炎症薬のいずれかを取った関節リウマチの患者間での関節腫脹の減少を比較しました。
関節リウマチは時間をかけて、関節損傷及び機能の損失につながる可能性があり、関節の慢性的な痛みを伴う炎症を引き起こします。
研究では121人の参加者全てに、少なくとも6か所の関節腫脹がありました。第一グループは60mgのTWHF根エキスを1日に3回、および第二グループは、抗炎症薬スルファサラジン(アザルフィジン)1gを1日2回摂取しました。
24週間後、ハーブエキスを服用者の約65%に少なくとも関節炎の治療の有効性の指標であるアメリカリウマチ学会の基準に基づき、少なくとも20%関節炎が改善したことが示されました。
スルファサラジンの服用者では約33%が、改善しました。
「この研究は、関節炎の治療にサプリメントや漢方薬の潜在的な重要性を再認識させてくれました。」
「ただ、そうはいっても研究に参加した人の数が比較的少ない。
医薬品の臨床試験は一般的により多くの参加者を擁し、数年に渡り検証するものです。調査結果は有望ですが、1つの研究だけに基づいてTWHFを推奨はできません。」と、関節炎財団の社長兼最高経営責任者(CEO)ジョンH.クリペル博士は述べています。
LAバトンルージュにあるオクスナー保健システムのリウマチの専門医、スティーブン・リンゼイ博士によると、スルファサラジンは、関節炎の治療として非常に人気がありかつては広く使用されていましたが、アメリカでは現在あまり頻繁には使用されていません。
今日は、メトトレキサート(Rheumatrex、Trexall)が最も頻繁に使用されている薬剤です。
「漢方薬は、関節リウマチを改善する上でいくつかの役割を果たしているだろうと思います。」とリンゼイ博士は述べています。
新しい研究の参加者は、経口プレドニゾンまたは非ステロイド性抗炎症薬を服用し続けることができるが、疾患修飾性抗リウマチ薬(メトトレキサートなど)を、服用していた誰もが、病気の進行を遅らせるため試験開始約一カ月前に服用を中止しなければならなりませんでした。
研究者らは、X線での関節損傷の統計的に有意な差はみられなかった。しかし、おそらく、6ヶ月が顕著な変化を確認できるのに十分な長さではなかったのだろうと、クリペル博士は述べています。
この研究ではまたTWHF服用者の62%と高い脱落率があり、最期まで続けたのは41%でした。研究によれば、スルファサラジンを服用した17人と、TWHFを服用した8人が、殆どの場合、吐き気や下痢などの消化器系の不調により途中で脱落しました。
リンジー博士は、もしハーブサプリメントを常時服用している場合は、必ず医師に伝えるようにするべきだと指摘し、「単にハーブであるという理由だけで、安くて安全であるということではありません。」と、付け加えました。
出典: http://consumer.healthday.com/bone-and-joint-information-4