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青魚が抗がん剤の効果を弱める可能性

青魚が抗がん剤の効果を弱める可能性

青魚に多く含まれているドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などの不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸)は、体にさまざまな良い影響を与えることが知られています。
ところが、抗がん剤の治療を受けているがん患者に対しては、オメガ3脂肪酸が悪影響を与えるようです。
この研究結果は、オランダがん研究所のエミール・フースト氏らにより4月2日発行の米国医師会の癌専門誌「JAMA Oncology」の電子版に報告されました。
それによると、青魚や魚油サプリメントを摂取している人では、オメガ3脂肪酸の中でも抗がん剤の効き目を弱めるヘキサデカテトラエン酸が長い時間体にとどまっていたということです。

ヘキサデカテトラエン酸はオメガ3脂肪酸の一つで、他のオメガ3脂肪酸と同じく青魚や魚油に多く含まれています。マウスの実験では、非常に少ない量(魚油なら1マイクロリットル)でも抗がん剤の効き目を弱らせることが示されています。

フースト氏らは今回、健康なボランティア30人に魚油、20人に魚を摂取してもらい、その後、血液中のヘキサデカテトラエン酸の濃度を測定しました。
その結果、魚油を10ml取った後に血中濃度が上がり、魚油を取る前の値に戻るのに8時間かかり、魚油を50mlに増やすと、血中濃度が上がっている時間もより長くなりました。

また、魚はニシン、サバ、マグロ、サケのうち前2種類にはヘキサデカテトラエン酸が多く含まれており、食後の血中濃度もニシンとサバで明らかに上昇しました。
マグロでは影響が見られず、サケでは短時間の弱い上昇が示されました。

フースト氏らは、今回の結果について「魚油を摂取しつつ抗がん剤治療を行うことに対し、懸念を提起するものです。」と指摘しています。
「さらなるデータが得られるまでは、がん患者に対し抗がん剤治療を始める前日から終了の翌日まで、一時的に魚油の摂取を中止することを勧めます。」としています。

(記事元)http://oncology.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2212208