「スーパーエイジャー」はアルツハイマー病や精神的な退化をどう防いでいるのか

一部の高齢者は、80代以降も鋭く認知症も発症しません。

現在、ドイツの研究者は、考えられる理由を明らかにしました。

彼らの遺伝子が、脳内のタンパク質の蓄積をかわすのに役立つ可能性があるのです。

この調査結果は、すべて80歳以上の94人の参加者の脳画像の研究に基づいています。

それらは、脳に見られるタウタンパク質のもつれとベータアミロイドタンパク質の斑の量によって特徴づけられました。

記憶力テストで最高得点を記録した人々、いわゆる「スーパーエイジャー」の人は、はるかに若い健康な人々と同様の脳タンパク質プロファイルを持っていました。

言い換えれば、彼らにはタンパク質のもつれや斑の蓄積がほとんどありませんでした。

一方で正常に老化し、記憶力テストのスコアが低い人は、若い人よりタンパク質のもつれが多く見られました。

そして、すでに軽度の思考能力障害と診断された人は、タンパク質のもつれと斑の両方がより多く蓄積していました。

「簡単に言えば、「スーパーエイジング」とは、80歳または90歳になっても、非常に高い認知機能のことを指します。」

と主任研究員のメルル・ホーニグ氏は述べています。彼女は、ドイツのユーリッヒ研究センターとケルン大学病院のポスドクです。

エリザベス女王が、有名なその一人になるでしょうと、彼女は述べました。

米国国立老化研究所によると、タウとプラークの両方の異常な蓄積が、思考障害の警告サインと見なされます。

しかし、一部の高齢者には、80年代または90年代であっても精神面での悪化がほとんどまたは全く見られないようです。

New York Times紙では最近、遺伝性の遺伝子変異のために早期発症型アルツハイマー病のリスクが高いコロンビア人女性のプロファイルが作成されましたが、しかし、彼女に発症はありませんでした。

彼女が癌のため77歳で亡くなったとき、彼女には軽度の認知症状しかなく、その最初の症状が現れたのは6年前でした。

彼女はまた別のまれな遺伝子突然変異を持っていたことが判明しました。

そして、彼女にはベータアミロイドプラークが非常に高く蓄積されていましたが、その2番目の遺伝子変異により、同様に大きくタウがもつれて蓄積されることから保護しているように思われました。

ホーニグ氏は、スーパーエイジャーはある種、同様の保護機能により守られているようだと述べました。

「私たちの研究では、スーパーエイジャーはタウやアミロイドの病状などの加齢関連タンパク質を蓄積していないように見えることを観察しました。」

と彼女は述べました。

「対照的に、正常な老化はタウの病理を示し、この「プロテオパチー」は正常な老化プロセスの一部である可能性があると主張しました。」

しかし、何が脳のタンパク質を抑制しているのでしょうか？

ホーニグ氏は、その答えはおそらくライフスタイルの選択と遺伝的素因の何らかの組み合わせにあると考えています。

この新しい研究ではライフスタイルの選択の影響を調べておらず彼女は更なる研究が必要であると述べました。

遺伝的側面において、ホーニグ氏は、新しい発見が加齢に伴うタンパク質の蓄積に耐性のある個人の脳における「分子シグネチャー」を調査する必要性を示していると述べました。

それは、アルツハイマー病やその他の加齢関連疾患の新しい治療法の開発につながる可能性があると彼女は言います。

アルツハイマー病協会の医学および科学活動担当部門の副社長であるヘザー・スナイダー氏は、遺伝学がアルツハイマー病のリスクに関与し、場合によってはそれから保護することさえ示唆する証拠があると述べました。

研究者たちはすでに、その証拠を用いて、タンパク質のもつれやプラークの蓄積を防止または遅延させ、脳細胞内および脳細胞全体への栄養素の送達を改善する新しい方法の捜索に乗り出しています。

スナイダー氏によると、アルツハイマー協会とタウ協会には、まさにそれを行うように設計された13件のプログラムがあります。

これらの試みは、アルツハイマー病の将来の治療だけでなく、前頭側頭型認知症やレビー小体型認知症などの、他のタウの影響を受けた病気にも効果がある可能性が高いと彼女は述べました。

この研究報告は最近、JAMA Network Openでオンライン公開されました。

【以下のリンクより引用】

Medical Xpress