「特別なメガネ」が増え続ける子供の近視の歯止めになることを願って
2 年前、ポール君の先生は、10 歳の少年が教室の前方にある黒板に何も見えなくなっていることに気付きました。
眼科医は、ポール君が2050 年までに世界人口の半分が罹患すると予測されており、世界中の子供達に急増している目の状態である「近視」の子供たちのうちのひとりであることを確認しました。
しかし、フランス西部の都市ナントに住むこの眼科医は、ポール君の近視の進行を遅らせることができる特別に設計された眼鏡が利用できるようになったという好ましいニュースを知っていました。
「1年後、彼の視力は安定しているように見え結果は非常に良好だったと思います。」
と、ポール君の母親であるキャロライン・ブーデ氏はAFPに述べました。
以前の研究では、「Miyosmart」メガネを使用している子供は、通常の度付きメガネと比較して、近視の進行が60% 遅いことが示唆されています。
6年間の臨床研究では、子供たちがメガネの使用をやめても、障害の再加速は始まらないことがわかりました。
日本の HOYA が開発した Miyosmart レンズは、通常のメガネとしても機能し、子供たちがはっきりと見えるようにします。
このレンズは、フランスや英国を含む多くのヨーロッパ諸国で約 2 年間販売されています。
眼鏡会社のエシロールルクソティカ社(EssilorLuxottica)は、自社の Stellest レンズを 1 日12 時間以上装着すると、近視の進行が 67% 減少すると主張しています。
イタリアとフランスの会社によると、このメガネは 3 年間で 1 ディオプター (光学パワーの測定単位) 以上をセーブできるそうです。
近視は、角膜と網膜の間の距離が離れすぎて、遠くの物体がぼやけて見える場合に発生します。
MiyosmartとStellest の両方の眼鏡は、何百もの小さなレンズを配置して、光が網膜の後ろに落ち、眼球が長くなり、近視を悪化させる、周辺遠視焦点ぼけをなくします。
Miyosmart メガネは米国では入手できませんが、カリフォルニアにあるCooperVision社には同様の原理で機能するコンタクトレンズがあり、それは米国食品医薬品局によって承認されています。
「近視世代」
ある調査によると、世界中で近視である人々の割合は、2010 年の27% から2050 年には52% に急増する可能性があります。
両親のどちらかが近視である子供は近視になる可能性が高くなりますが、ポール君の家族には近視の人はいません。
遺伝的原因ではなく環境的原因が、症例の急増の背後にあると考えられています。
研究者によると、屋内で過ごす時間が増え、自然光にさらされる時間が少なくなり、スクリーンなどの近くのものを見るようになった子供たちは、「近視世代」と呼ばれる世代を生み出した可能性があります。
フランス眼科学会の会長であるクロード・シュペーグ・シャッツ氏は、近視の進行を遅らせる新しいメガネについて「かなり驚いた」と語りました。
「私たちは近視を避けるために多くのことを試みてきましたが、実際に機能するシステムを得ることができたのは初めてです。」
最近近視と診断された子供には、まず通常の矯正眼鏡が処方されます。
「近視が悪化した場合、私は自動的に近視調節メガネを処方します。」と彼女は言いました。
フランスの眼科医であるジミー・チャマス氏は、メガネは「子供たちにとって真の利益」であると述べました。
「これらの眼鏡をかけている人の近視は、もしあっても、私たちが予想していた半分程度が悪化します。」
と彼は述べました。
障害となっていることの一つとしては、メガネは国によって価格が異なり、場合によっては親にとっての高い買い物となります。
HOYA Vision Care France社の責任者である ジャンミシェル・ランバート(Jean-Michel Lambert) 氏は、眼鏡をフランスの医療保険サービスの適用となるよう求めました。
「ジオプトリーがひとつ失われる、つまり、視力が落ちるたびに将来の病気のリスクが大幅に増加します。」
と彼は言い、次のように付け加えました。
「近視を遅らせることができれば、社会のコストを1つ減らすことができます。」
*ジオプトリー*
処方箋に 「-2」 と表示されている場合、それは 「2 ジオプトリー」の近視を示します。
「-6ジオプトリー」以上の近視は、高度近視と呼ばれ、網膜剥離、緑内障、早期発症の白内障などの深刻な目の損傷のリスクを高める可能性があります。
【以下のリンクより引用】
Hope special glasses can slow surging myopia in children
Medical Xpress
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