ω3脂肪酸が皮膚アレルギーに有効な可能性
DHAやEPAなどで知られるω(オメガ)3脂肪酸は、主にイワシやサバなどの青魚に多く含まれている。これまでも血液中の脂質を下げたり、うつ病や認知症を予防したりなどさまざまな効果が報告されている。
こうした中、京都大学大学院医学研究科の椛島健治教授(皮膚科)らは、ω3脂肪酸に皮膚アレルギーを抑える効果があることを世界で初めて証明し、10月5日発行の米医学誌「Journal of Experimental Medicine」(電子版)に発表した。
この結果から、従来の治療法が効かないアトピー性皮膚炎などの治療が、飛躍的に進歩する可能性があるという。 *ω3脂肪酸とは? ω3脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸の一種。体の中では合成できずに食べ物から摂取する必要があるため、必須脂肪酸と呼ばれている。必須脂肪酸はその構造から、リノール酸を中心とするω6脂肪酸とαリノレン酸を中心とするω3脂肪酸に分類される。
ω3脂肪酸にはαリノレン酸のほか、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれる。DHAは脳や網膜、精液などのリン脂質の主要成分であり、また心のバランスを取る脳内物質セロトニンの原料としても知られている。
これらが不足すると、学習機能や視力の低下、さらには多動性障害やうつ病になるとされている。逆にDHAやEPAの摂取は、血液中の中性脂肪を減少させ、心筋梗塞など動脈硬化による病気の危険性を減らす。
抗炎症作用は古くから知られるω3脂肪酸の重要な作用の一つだが、これまで詳細な仕組みは不明とされてきた。 *皮膚アレルギーを抑える仕組み 椛島教授らは、ω3脂肪酸に由来する「レゾルビンE1」に着目。レゾルビンE1は、炎症を起こすもと(炎症性サイトカイン)の発生を抑えることで抗炎症作用を発揮するといわれている代謝産物だ。 同教授らが接触性皮膚炎を起こしたマウスを観察したところ、レゾルビンE1が皮膚の細胞(樹状細胞)の活動を抑え、それによって免疫反応に関わるTリンパ球の活性化を阻害することで、皮膚の炎症を抑える効果があることが分かった。 この研究が進展することで、これまでの治療がほとんど効かなかった難治性のアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎など、アレルギー性皮膚疾患の治療が飛躍的に進歩する可能性がある。
記事元:http://kenko100.jp/articles/151015003632/
こうした中、京都大学大学院医学研究科の椛島健治教授(皮膚科)らは、ω3脂肪酸に皮膚アレルギーを抑える効果があることを世界で初めて証明し、10月5日発行の米医学誌「Journal of Experimental Medicine」(電子版)に発表した。
この結果から、従来の治療法が効かないアトピー性皮膚炎などの治療が、飛躍的に進歩する可能性があるという。 *ω3脂肪酸とは? ω3脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸の一種。体の中では合成できずに食べ物から摂取する必要があるため、必須脂肪酸と呼ばれている。必須脂肪酸はその構造から、リノール酸を中心とするω6脂肪酸とαリノレン酸を中心とするω3脂肪酸に分類される。
ω3脂肪酸にはαリノレン酸のほか、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれる。DHAは脳や網膜、精液などのリン脂質の主要成分であり、また心のバランスを取る脳内物質セロトニンの原料としても知られている。
これらが不足すると、学習機能や視力の低下、さらには多動性障害やうつ病になるとされている。逆にDHAやEPAの摂取は、血液中の中性脂肪を減少させ、心筋梗塞など動脈硬化による病気の危険性を減らす。
抗炎症作用は古くから知られるω3脂肪酸の重要な作用の一つだが、これまで詳細な仕組みは不明とされてきた。 *皮膚アレルギーを抑える仕組み 椛島教授らは、ω3脂肪酸に由来する「レゾルビンE1」に着目。レゾルビンE1は、炎症を起こすもと(炎症性サイトカイン)の発生を抑えることで抗炎症作用を発揮するといわれている代謝産物だ。 同教授らが接触性皮膚炎を起こしたマウスを観察したところ、レゾルビンE1が皮膚の細胞(樹状細胞)の活動を抑え、それによって免疫反応に関わるTリンパ球の活性化を阻害することで、皮膚の炎症を抑える効果があることが分かった。 この研究が進展することで、これまでの治療がほとんど効かなかった難治性のアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎など、アレルギー性皮膚疾患の治療が飛躍的に進歩する可能性がある。
記事元:http://kenko100.jp/articles/151015003632/