電話: (050) 5806 4417

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / あなたは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を患っていますか?

あなたは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を患っていますか?

<以下は、ベス・テイラー医師による特別記事です。>

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、「サイレントキラー」と呼ばれることがあります。

PCOSは北アメリカの女性の8%〜12%に影響を及ぼしているという事実があるにもかかわらず、半数近くの女性がPCOS未診断となっています。
PCOSは不妊症の主な原因となる他、糖尿病や心臓病、子宮内膜癌を含む多くの問題に関連しているため、女性の健康にとって重大です。

私が不妊治療を行う中で目にした女性の内何名かは、不妊が発覚するまで、自身がPCOSを患っていることに全く気付いていませんでした。
 

- PCOSとは何ですか?

PCOSとは、女性の男性ホルモン(アンドロゲン)濃度が高くなる状態を指します。
このホルモンは、卵胞からの卵の放出、および女性ホルモン(エストロゲン)の過剰産生を阻害する作用があります。


- PCOSの症状にはどのようなものがありますか?

ホルモンバランスの乱れ、特にPCOSを特徴付ける過剰な男性ホルモンは、以下を含む様々な症状を引き起こします。

• 生理不順や月経停止

• にきび

• 体毛の過剰成長(多毛症)

• 肥満度指数(BMI)の上昇

• おなかの脂肪増加

• うつや不安

• 脱毛

• 糖尿病前症の兆候

• インスリン濃度の上昇

• 不妊症

インスリンは、PCOSにおいて重要な要素であるようです。PCOSを患う多くの女性に、インスリン抵抗性の増加が見られます。
血中のインスリン濃度が上昇することで、卵巣の過剰なアンドロゲン産生に繋がります。
また過剰なインスリンは血糖値を上昇させ、糖尿病前症や体重増加、糖尿肥満になりやすくなります。


- PCOSの診断方法は?

PCOSは単一の診断検査が存在せず、また兆候や症状が患者ごとに異なるため、診断が困難な場合があります。

臨床的に、以下の症状の内2つ以上に当てはまる場合、PCOSと診断される可能性が高いでしょう。

1. 月経不順や過少月経、無月経

2. アンドロゲン過剰の臨床的または生化学的症状(多毛やにきび、抜け毛、血中のテストステロン値の増加等)

3. 多嚢胞性卵巣 - PCOSを患う女性の卵巣は通常、超音波検査で特徴的な外観を示します。


- 治療方法

PCOSを治療する魔法の秘薬は存在せず、通常複数の治療方法の組み合わせが必要となります。
PCOS治療において取るべき最初のアプローチは、ライフスタイルの変化です。
インスリン値をコントロールするための低GI(グリセミック指数)食や定期的な運動の他、
もしBMI値が25を超えている場合は減量を行う必要があります。

しかし、私は肥満傾向にあるPCOS患者に対し、妊娠するために過度の減量を行う必要はないという事実を伝えています。
「通常の体重」(一般的にBMI18~25kg/m2)に戻る必要はないのです。
ある研究では、BMI値が34であるPCOS患者の40%が、たった5%の減量により自然に妊娠したことが示されています。


- 治療薬

正しい食事や運動に加え、クロミフェンやレトロゾール、ゴナドトロピンなどの排卵刺激薬を処方されることもあります。
あるいは、インスリン値を下げ、周期を正常化するため、糖尿病治療薬であるメトホルミンや、ミオイノシトールのサプリメントを処方されるかもしれません。

注意事項: 肥満の女性が妊娠しようとする場合は、妊娠前および妊娠中に、葉酸を5mgを摂取することが推奨されています。
葉酸は、胎児の神経管欠損のリスクを低減することができます。

Canada, Asian Pacific Post 2018年10月2日
http://www.asianpacificpost.com/article/8405-do-you-have-polycystic-ovary-syndrome-pcos.html