ある種の大気汚染は更に健康に悪い
2022年5月30日(ヘルスディニュース)-高レベルの粒子大気汚染にさらされると、脳卒中による死亡のリスクが高まる可能性があり、肺の奥深くに入る可能性のある最小サイズの粒子でリスクが最も高くなる、と研究者らは述べています。
「大気汚染は、以前は世界の主要な死因である脳卒中のリスクの増大と関連していました。」
と研究著者である、中国広州にある中山大学のリン・ファリアン氏は述べました。
「あまり知られていないのは、粒子状物質のサイズの違いがそのリスクにどのように影響するかです。
私たちの研究では、大気汚染粒子のサイズが脳卒中で死亡するリスクに影響を与える可能性があることがわかりました。」
とリン氏はNeurology誌のニュースリリースで述べています。
調査結果は5月25日にオンラインで公開されました。
この研究では、空気中に浮遊する固体または液体からなる3つのサイズの大気汚染粒子状物質によってもたらされる脅威について注目しました。
サブミクロンの粒子状物質(PM1)は、直径が1ミクロン未満ですがその中には、煤やスモッグが含まれています。
微粒子状物質(PM2.5)は、直径2.5ミクロン未満で、石炭燃焼によるフライアッシュが含まれています。
呼吸可能な粒子状物質(PM10)は、セメント粉塵を含み直径は10ミクロン未満です。
「私たちの研究には、PM1の測定値が含まれています。これは、肺に深く吸入され、肺組織を通過し、血流を循環するのに十分小さい可能性があります。」
とリン氏は述べています。
「すべての粒子状物質のサイズの危険因子とそれらの考えられる影響の大きさをより深く理解することは、脳卒中による死亡者数を減らし、患者の転帰を改善するのに役立つかもしれません。」
と彼は付け加えました。
研究者らは、血栓による虚血性脳卒中と脳出血による出血性脳卒中について、中国での310万件以上の入院に関するデータを調査しました。
患者の平均年齢は67歳で、そのうち入院中に1%が脳卒中で死亡しました。
研究者らは、脳卒中を発症し入院する前の7日間の患者の大気汚染への平均曝露と、前年の1日あたりの平均曝露を測定しました。
年齢、性別、社会経済的状況、糖尿病、高血圧などの要因を調整した後、研究の著者は、粒子状物質への年間平均曝露量が10マイクログラム/立方センチメートル(μg/ m3)増加するごとに、入院中の脳卒中による死亡リスクが増加し、PM1への曝露リスクが24%高くなると結論付けました。
PM2.5への曝露のリスクは11%高く、PM10への曝露のリスクは9%高くなっています。
粒子状物質への7日間の平均曝露では、PM1への曝露によるリスクは6%高くなり、PM2.5への曝露によりリスクが4%増し、PM10への曝露ではリスクが3%増加しました。
虚血性脳卒中の患者は、出血性脳卒中の患者よりも死亡のリスクが高く、虚血性脳卒中と最小の大気汚染粒子(PM1)への曝露の患者で、最もリスクが高いことがわかりました。
しかし、研究者らは、PM10への曝露を減らすことが、脳卒中による死亡を減らすのに最も効果的であり、短期曝露では10%、長期曝露では21%になることを見つけています。
この調査結果は、大気汚染が脳卒中による死亡を引き起こすことを証明するものではなく、関連性を示すのみであるとリン氏は述べました。
【以下のリンクより引用】
Some Types of Air Pollution Are Even Worse for Your Health
Healthday
当社関連製品カテゴリー:コレステロール