うつ病と死亡率に関するCDCの研究により富、喫煙と運動が死亡リスクを低下させることが判明
アトランタにある米国疾病予防管理センター(CDC)の研究者らは、米国成人の大規模で多様な全国から代表されたサンプルを対象としたうつ病の症状と死亡率との関連を調査しました。
JAMA Network Openに掲載された論文「米国成人のうつ病症状と死亡率(Depressive Symptoms and Mortality Among US Adults)」の中で、CDCのチームは、中等度から重度のうつ病症状のある成人では、うつ病でない成人と比べて、全原因、心血管疾患、虚血性心疾患による死亡リスクが高いことを発見しています。
この研究では、2005年から2018年までの国民健康栄養調査(NHANES)のデータを利用し、20歳以上の23,694人が参加しました。参加者の平均年齢は44.7歳でした。
うつ病の症状は、うつ病の症状を測定するための検証済みのスクリーニング手段である『Patient Health Questionnaire-9 (PHQ-9) 』を使用し、評価が行われました。
コホートの特徴には、教育や配偶者の有無、収入に対する貧困の比率、健康保険、心血管疾患の家族歴、慢性腎臓病、抗うつ薬の使用、アルコール消費量などが含まれていました。
NHANES のデータセットは、死亡率の結果を追跡するために、2019 年まで National Death Index と相互参照されました。
参加者の14.9%に軽度の抑うつ症状が見られ、7.2%に中等度から重度の抑うつ症状が見られました。
全死因死亡率について調整後の基本モデルでは、軽度のうつ症状がある人は、うつ症状がない人と比較してハザード比 1.42 であり、中等度から重度のうつ症状がある人のハザード比は 1.78 であることがわかりました。
心血管疾患による死亡率の全体的なハザード比は、軽度のうつ症状で 1.49、中等度から重度のうつ病症状で 1.79 でした。
虚血性心疾患の死亡率については、軽度のうつ症状は影響を示さなかったものの、中等度から重度のうつ病症状のハザード比は2.21でした。
どちらも貧困レベルと強い相関がありました。
喫煙、運動、そして睡眠といったライフスタイルでの要因が、うつ病の症状と死亡率との関連性の重要な媒介因子であることが特定されました。
この関連性は、さまざまなサブグループ間でほぼ一貫していました。
CDCの研究では強調されておらず、推奨される可能性も低いと思われる「喫煙」はHR 1.65で、軽度および中等度から重度のうつ病のグループの両方において、基本モデル(HR 1.78)と比較して、すべての原因による死亡率が最も有意に減少していました。
これに僅差で運動(HR 1.67)が続きましたが、これは奨励される可能性が非常に高いものです。
この研究は、うつ病の症状と関連する危険因子に対処することが、うつ病に罹患する負担と死亡率への影響を軽減するために重要である可能性があることを示しています。
報告書では、データにおけるうつ病関連死亡の最も重要な要因である所得格差など、特定の危険因子に対してどのように対処するのかは明かにされておらず記載がありませんでした。
【以下のリンクより引用】
CDC study on depression and mortality finds wealth, smoking, and exercise reduce risk of death
Medical Xpress
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