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JapanRx / がん幹細胞はメチオニン中毒

がん幹細胞はメチオニン中毒

シンガポールの研究者らは、がん幹細胞が、それが生成されるよりもはるかに早く、アミノ酸メチオニンを消費し始めることを発見しました。

そして、この脆弱性は癌治療に利用される可能性があります。

AsianScientist(2019年6月10日) -  シンガポールのある研究グループは、がん幹細胞には独自の栄養要求があることを発見しました。
そして、それは腫瘍形成と癌の治療に影響を及ぼします。

彼らの発見は国際学術誌である『ネイチャー メディシン(Nature Medicine)』に掲載されています。

癌の症例数は年々増加しており、シンガポールでは4人〜5人に1人の割合で癌に罹患する可能性があります。
癌の治療方法は数多くありますが、一部の患者の腫瘍は治療に抵抗性であったり、数年後に再発することがあります。
これは、体の正常細胞とは代謝が異なる癌幹細胞が存在するためであると考えられています。

本研究では、ゲノム研究所(Genome Institute ,GIS)のタム・ワイリョン博士が率いる研究者らが、がん幹細胞の独特の栄養要求を正確に特定するために、
高度なゲノミクスおよびメタボロミクス技術を使用しました。

彼らは、がん幹細胞がメチオニン(必須アミノ酸)をその再生をはるかに上回る速度で消費することを示しました。
これは、がん幹細胞がアミノ酸中毒となっていることを示しています。

彼らはまた、メチオニンの誘導体であるS−アデノシルメチオニン(SAM)ががん幹細胞における重要な遺伝子機能の調節に関与していることを証明しました。

重要なこととして、研究チームは、“メチオニンアデノイルトランスフェラーゼ2A(MAT2A)”として知られる代謝酵素がメチオニンを
SAMに変換することに関与していることに注目しました。  

この研究の第一著者であるGISのワン・ゼンジュン博士は、次のように述べています。
「MAT2Aは癌細胞の代謝を制御する興味深い酵素です。我々の調査結果でこの酵素は、その阻害が、がん幹細胞の除去をもたらしたことを示したため、
それは重要な新薬のターゲットとなりうることを表しています。
これは、癌細胞のメチオニンへの依存性を標的とした、次世代の医薬品開発への道を開くものです。」  

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.asianscientist.com/2019/06/in-the-lab/methionine-addiction-mat2a-cancer-stem-cells-astar...