どんなにわずかでもコレステロールや血圧の改善は、心臓発作の予防に役立つ
2019年9月5日(HealthDay News)-コレステロールと血圧のわずかでも持続的な変化は、生涯にわたる心臓病と脳卒中のリスクを劇的に減らすことができると新しい研究が示唆しています。
大規模な研究では、14 mg / dLの悪玉コレステロール(LDL)の低下や、収縮期血圧の5 mm Hgの低下(血圧測定値での血圧)の組み合わせが、 心臓病と脳卒中の生涯リスクを半分に減らすことがわかりました。
そして、それらのレベルが低下すればするほど、心臓病と脳卒中リスクの減少が大きくなります。
「数十年にわたる血圧とコレステロールのわずかな変化は大きな利益につながる可能性があります。健康的な食事と運動による可能な変化は、 心血管リスクを50%削減できます。」
と、米国心臓協会の広報担当者であり、テキサス州ダラスにおいて州の心臓循環器学の権威であるジョン・オズボーン博士は述べました。
オズボーン博士は新しい研究に関与していませんでしたが、調査結果に精通しています。
過去の多くの研究では、血圧またはコレステロールを5年間低下させ続けることが、心血管疾患に影響を及ぼす可能性があることが示されています。
しかし、これらの変化が、一生においての心臓病や脳卒中のリスクにどのように影響するかを知ることは困難でした。
新しい研究は、英国で長期研究のために登録された平均年齢65歳の約440,000人を対象に行われました。そのうち、 54%は女性でした。
研究の参加者は2006年から2010年の間に募集されました。
追跡調査は2018年まで続きその間に、ほぼ25,000人で、致命的でない心臓発作、血管閉塞による虚血性脳卒中、または心臓病による死亡が見られました。
研究者は、研究を通して悪玉コレステロール(LDL)と収縮期血圧の低下につながる遺伝的変異があった研究参加者を探しました。
『メンデルのランダム化』と呼ばれる統計的手法を使用して、研究者らは、これらの遺伝子変異のない人と比較して、コレステロールと収縮期血圧の 低下についての生涯効果を推定することができました。
この研究では、39 mg / dLのLDLの低下と収縮期血圧の10 mm Hgの低下という組み合わせが、心血管疾患の生涯リスクを80%低下させる可能性があることがわかりました。
また、この同じ低下の組み合わせは、心臓病による死亡の生涯リスクを3分の2以上も低下させました。
オズボーン博士によると、これらの低下は、多くは食事と運動だけで達成するのは難しいかもしれないものの薬で達成することが可能です。
「過去の臨床試験では、多くの場合5年〜6年調査するだけでしたが、現在は、数十年にわたるこれらの変化の影響を評価できます。」と彼は言いました。
アメリカ・ニューヨーク市のレノックスヒル病院の心臓専門医であるサットジット・ブスリ博士も、この発見について言及しました。
「悪玉コレステロールが高いことと高血圧は、心臓病の2つの独立した改善が可能な危険因子であることはわかっています。この2つの組み合わせは リスクを更に高めます。」
と彼は説明しました。
しかし、この研究は「わずかな低下でさえ心臓病の診断に大きな影響を与えた」ことを明らかにしたとブスリ博士は述べました。
彼はまた、この研究は、誰かが生涯にわたってこれらの危険因子を下げるために健康的なライフスタイルや薬物療法を順守すれば、何が起こるかを示していると付け加えました。
「ライフスタイルの変化と薬物療法の順守は、心臓病についての大きな予測因子となります。」とブスリ博士は述べています。
この研究は、パリで開催された欧州循環器学会で発表されました。また、同時に、米国医師会誌にオンラインで公開されました。
英国ケンブリッジ大学の心臓専門医であるブライアン・フェレンス博士が、この研究の主執筆者です。
【以下のウェブサイトより引用】
Even Small Improvements in Cholesterol, Blood Pressure Help Prevent Heart Attack
Health Day