ほとんどの飛行機は子供用の応急処置を装備していない
2019年7月26日(HealthDay News) - もし幼い子供と一緒に海外旅行に行く飛行機の中で子供が発熱と悪寒を訴えたら、薬を客室乗務員に求め痛みを和らげる方法を探すかと思いますが、飛行機の中にある救急箱にはあなたの子供が必要とするものがあるのでしょうか。
そうではなさそうだということが、新しい研究でわかっています。
子供たちの飛行機の中での医療緊急事態がの16%を占めている一方で、そのような緊急事態のための子供向けの救急救済キットが救急箱に常備されていることはほとんどありません。
この研究において、研究者らは2015年1月から2016年10月までに国際航空会社、77社において救急医療を必要とした11,000人以上の小児の症例を分析しました。
最も一般的な病状は、吐き気や嘔吐(約34%)、発熱や悪寒(22%)、アレルギー反応(5.5%)、腹痛(約5%)、胃炎(4.5%)など、多くの子供が、通常、緊急医療機関で受診した内容と同じでした。
これらの症例のほとんど、87%近くは客室乗務員によって手当が行われましたが、医師は約9%の症例でその手助けが求められました。
約16%の症例で、飛行機が着陸した後で、子供はさらなる治療を必要としました。
報告によると、子供が緊急医療を受けるために、近くの空港に緊急着陸したフライトは0.5%だけでした。
しかし、ほとんどの症例が容易に治療できる一般的な病気が関係しているという事実にもかかわらず、飛行機に積まれている救急箱の中には、内服液の鎮痛剤やアレルギー薬など、子供向けの治療薬として役立つものはほとんどなかったことをデューク大学の研究者らは発見しました。
米国救急医学会誌であるAnnals of Emergency Medicineのオンライン版に7月25日に発表された研究によると、米国の航空会社の応急処置キットには、ぜんそく吸入器、抗ヒスタミン薬、アスピリンを常備することが義務付けられていますが、薬は錠剤など丸薬であり 多くの子供は飲み込むことができず、また、線量も大人用です。
「航空会社と両親は、最も一般的な病気について知っているのですから、それらに対処する準備をしておくべきです。」
とデューク大学小児救急医療部門のチーフである、アレクサンドル・ロッタ博士は述べています。
2018年、米国の国会議員は連邦航空局に、航空会社の救急箱に子供のニーズを満たすための最低限の内容が含まれているかどうかを評価するように命じました。
ロッタ博士によると、この研究ではどのような応急処置キットを航空会社が購入すればよいかのリストアップに役立つ可能性があります。
「航空会社の子供たちに影響を与える話し合いや方針、そして搭載する医療用キットに何を含めるべきかを知らせるために必要な情報となります。」
とロッタ博士は述べました。
「しかし、現状としては、子供と旅行する際には、子供が必要とする可能性のある薬を持参することを勧めます。」
【以下のウェブサイトより引用】