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JapanRx / アカンプロセートがアルコール依存症の再発防止

アカンプロセートがアルコール依存症の再発防止

新しいコクラン・システマティック・レビュー(Cochrane Systematic Review)によると、アカンプセート(中枢神経系に作用して、飲酒欲求を抑える作用を持つ薬)の使用によりアルコール依存症の治療後、再飲酒を行う患者の数が減少するそうです。この薬は非薬物治療に付随して使用される場合、ある程度の効果を示しました。
あまりにも多くアルコールを飲むと病気のリスクを上昇させます。世界保健機構(World Health Organization)によると、アルコール中毒は交通事故や殺人の原因となるばかりではなく、食道癌、肝疾患や、てんかんなどといった諸疾病の約4分の1 の潜在的な原因でもあります。アカンプセートとナルトレキソン(Naltrexone)は心理療法と共に、飲酒を停止しようとしているアルコール依存症患者を補助するために使用される薬剤です。
研究者らは、臨床研究におけるゴールドスタンダード(診断や評価の精度が高いものとして広く容認された手法)とされる24の無作為化比較試験からのデータをレビューしました。これら全てのアルコール依存症患者を対象する試験には、心理療法を受ける患者6,915人が含まれていました。アカンプセートにより、9人の患者1人の割合で禁酒した患者の飲酒再発が防止され、また患者が禁酒日数が平均で月に3日増えました。アカンプセートを服用している患者が再飲酒してしまう可能性は、プラセボを服用した患者の再飲酒率の86%であったことを研究者らは示しました。そして、プラセボを服用のケースよりアカンプセート服用のケースの方に、より頻繁な下痢が発生することが唯一の副作用として報告されました。
「アカンプセートは もちろん特効薬ではありませんが、断酒しようとしている患者さん達にとっては安全かつ有効な治療法です。」とドイツのミュンヘン大学 (University of Munich)精神病院(Psychiatric Hospital)のスザンヌ・ロースナー(Susanne Rösner)研究長は述べました。
「これらの試験で確認された治療効果は低いですが、我々はこれらが他の非薬物療法に付随する治療効果であることを忘れてはなりません」。
治療方針を推薦する時には、薬の効能利点と欠点に関する全ての情報を提供し、患者の選択の権利を尊重することが必要であると研究者らは強調します。
「効果があると承認された治療への介入を患者さんから遠ざけてはいけません。アルコール依存症を治療するために、別の薬剤を使用するという治療法に対する患者さんの疑問や不決断は真剣に受け止めなければなりません。」とロースナー博士は語りました。

(記事元)
https://www.sciencedaily.com/releases/2010/09/100907210819.htm