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アジスロマイシンの気管支拡張症治療への有効性

e!Science Newsより引用(引用先ページはhttp://esciencenews.com/articles/2013/03/26/azithromycin.may.provide.benefit.treatment.respiratory.disorder)

米国医師会雑誌JAMAの論文によると非嚢胞性線維症の気管支拡張症患者に対して抗生物質の アジスロマイシンもしくはエリスロマイシンを使用したところ症状に改善が見られたが、同時に抗生物質へ の耐性リスクも高まったという報告がありました。気管支拡張症は気管支が異常に拡張した状態であり肺の感染症の再発、ひどい咳、息切れ、喀血などを引き起こします。病気が進行すると呼吸不全となり、肺移植が必要となり、最悪氏に至る可能性があると研究で報告されています。

マクロライド系の抗菌薬には抗菌作用や抗炎症作用もあり気管支炎に対して有効的な治療になると 考えられています。これらの抗生物質は小規模試験によりすでに嚢胞性線維症(CF)の治療において 有効であると分かっており、CFでない気管支拡張症にも有効であると考えられています。 オランダにあるMedical Centre Alkmaarで非CF気管支拡張症患者に対して 通常の治療と1年間マクロライドを低用量治療を併用することで増悪回数の頻度が減るのかどうか実験 が行われました。無作為プラセボ対照実験がオランダの14の病院で2008年から2010年にかけて行 われました。下気道感染症を3回以上患ったことのある非CF気管支拡張症の患者83名が被験者と なりました。被験者達は12ヶ月間アジスロマイシン1日250mgを服用、もしくはプラセボ薬を服用しま した。

アジスロマイシンを43人が服用し、プラセボ薬を40人が服用し合計で117件1年間の投与期間中抗生物質により増悪が報告されました。そのうち78件がプラセボグループでした。投与の間増悪回数の中央値はアジスロマイシンを投与した患者グループが0回であったのし、プラセボグループは2回でした。プラセボグループ40例のうち32が投与期間中に増悪が起こっていました。安定した状態を保つためにアジスロマイシンの治療がが必要だった患者の数は3でした。アジスロマイシンを投与したグループのうち40%に消化器官へ副作用がみられ、プラセボグループでは5%でした。しかし必要がないと判断され投与中止はされませんでした。マクロライド耐性率はアジスロマイシンを投与したグループでは88%であったのに対し、プラセボグループでは26%でした。

この試験結果よりマクロライド維持療法はCF気管支拡張患者に対して症状悪化を食い止めるのに有 効であると結論付けられました。今回の試験でアジスロマイシンによる治療は肺機能を改善し、生活の 質の向上も見られたが消化器官への副作用、マクロライド耐性率も高かったという結果も出ました。 Mater成人病院でのDAVID J.SERISIRによるもうひとつの研究によると非CF気管支拡張 症の患者に対して低用量エリスロマイシンは肺症状症状悪化を防ぐのか仮説を検証しました。 検証試験は12ヶ月間エリスロマイシンの無作為試験によるもので、被験者は喫煙しておらずCF気管 支拡張症があり2回以上の感染の悪化が前年にあった人を対照とします。この実験は2008年10月から2011年12月にかけて大学病院で行われました。

被験者は1日2回エチルコハク酸エリスロマイシン400mg、もしくはプラセボ薬を服用させました。 計679名にテストを行い、117人をエリスロマイシン服用者59人とプラセボ薬服用者の2つのグループ に分けました。107名の被験者が試験を完了しました。研究者はエリスロマイシンがPDPEを大きく減 らすこと発見しました。エリスロマイシンを投与したグループで76回、プラセボ薬服用者のグループで114 回でした。エリスロマイシンを投与したグループでPDPEが0回だった患者は20例ほどです。エリスロマイ シンはプラセボ薬と比較して、24時間喀痰産生量を減らす作用があり、さらに肺機能低下を抑えること ができると結論付けられました。