アプリによるオンラインプログラムはうつ病の治療に役立つ
2021年12月14日(ヘルスディニュース)- うつ病の症状のある人は、オンラインプログラムやスマートフォンのアプリに助けられるかもしれませんが、人的要素は依然として重要であると、新しい研究レビューが示唆しています。
時間や距離、お金の問題、それにイメージが悪いという理由で、うつ病を患うすべての人が対面療法の受診をすぐに行うわけではありません。
しかし、スマートフォンはほぼ普遍的であり、何千ものアプリが人々のメンタルヘルス問題の管理に役立つことが確認されています。
しかし、それらが役に立つのかどうか、そして誰のためのものであるのかという点が迫り来る疑問の中にあります。
新しい研究では、研究者はうつ病に対するデジタル介入の効果をテストした過去の83件の試験を分析しました。
いくつかのテストスマートフォンアプリを使用し大多数がオンラインプログラムを評価しました。
研究者たちは、平均して、デジタルによるヘルプは何もないよりもましであり、更に「通常の治療」よりも優れていることを発見しました。
しかし、人の指導によるヘルプは依然として大きな違いを生むように思えました。
宿題のフィードバックなど、ある種の人による「治療的」サポートを伴ったデジタル介入は、一般に、完全に自分で行うアプローチよりも優れていました。
セラピストとの昔ながらに行われる対面カウンセリングまで、そのすべてがどのように測定されるかは不明なままです。
研究著者は、この2つを直接比較した試験は3件だけだと述べました。
研究者によると、これらの研究においてのアプローチは同等のように思えましたが、結論を出すには時期尚早です。
特に、スマートフォンアプリについてはさらに多くの研究が必要です。
10,000個以上あるそのようなアプリは、メンタルヘルスの問題に対処することを目的としています。
しかし、これらの分析の主任研究者であるアイザック・モシェ博士は、十分に実施された試験のうち、いずれかがテストされたのは4件だけだったと述べました。
「これは、現在ダウンロードが可能なアプリの多くが、それらを支援するのに強力な証拠がないことを示唆しています。」
と、フィンランドのヘルシンキ大学のモシェ博士は述べています。
モシェ博士によると、アプリは認知行動療法などの標準的なトークセラピーから原則を「借りる」ことがよくあります。
「しかし残念ながら、大多数のアプリについては、その有効性、設計方法、安全性とプライバシーに関する情報はほとんどありません。」
と彼は述べました。
12月13日に心理学紀要誌(the journal Psychological Bulletin)のオンライン版で公開されたこの調査結果は、軽度から中等度のうつ病を患う15,500人以上を対象とした83件の研究から得られたものです。
研究の大部分では、1年以内に参加者の追跡を行いました。
モシェ博士のチームが発見した一般的な問題は、人々がしばしば途中で脱落することでした。
平均して、完全なデジタル介入を完了したのは、研究参加者の約54%だけでした。
この調査によると、対照的に、対面カウンセリングを受けた約85%の人が最後までそれを続けています。
そして、それが重要なポイントです。
なぜなら、デジタルによるヘルプは、人々がそれを見たときに最も効果的に機能したからです。
「人々が実際にこれらのアプリのコンテンツをフォローすると、メンタルヘルスを改善する可能性が高いことがわかります。」
とモシェ博士は述べています。
「したがって、潜在的に利用している人が、「効果的な解決方法」を探しているとき、この「効果」の一部が自分の手の中にあることを覚えておくことが重要です。」
一方で、人々がアプリの使用をやめてしまう理由はたくさんあると、カリフォルニア州オークランドにある非営利団体『ウェルビーイングトラスト(Well Being Trust )』の社長であるベンジャミン・ミラー氏は述べました。
「介入の質が彼らの希望に見合わなかった、あるいは彼らは彼らの症状に対処するための別の方法を見つけたかもしれません。」
と研究に関与しなかったミラー氏は述べました。
ミラーによれば、もちろん、個人差はあり、デジタル介入で十分な人もいます。
「しかし、ほとんどの人は更なる助けが必要になるでしょう。」
ミラー氏は、アプリによる介入に関する懸念は、人々が苦しんでいるとき、助けを求めて何かに頼ることが多いということだと述べました。
しかし、特定のアプリが効果的であるかどうか、またはその人にとって適切なアプリであるかどうかを知ることは困難です。
もっと広く言えば、ミラー氏は、最も簡単にアクセスが可能な支援が実際にその人が望んでいるものであるかどうかという問題があると述べました。
「このすべてで失われるのは、人々が『本当は何を望んでいるのか』ということだと思います。」
と彼は述べました。
「もし選択が可能であるなら彼らは何を選ぶでしょう?」
ミラー氏は、うつ病の症状のある人は、信頼できる家族や友人に支援を求めることから始めることを提案しました。
次に、ちゃんとした支援を必要とする場合は、医療専門家に相談する可能性があります。
メンタルヘルス障害の診断に関しては、質問票だけでなく、訓練を受けた医療専門家による支援が必要だとモシェ氏は述べました。
彼は、一部のアプリには自己申告式で質問票が備わっているが、それらが何であるかを常に明確に説明しているわけではないと述べました。
そのため、ユーザーは「正式な診断を受けたと誤ってしまう可能性がある」とモシェ氏は言います。
症状を改善するためにアプリを試してみたい人のためのガイダンスがいくつかあります。
モシェ氏によると、その情報源の1つは、米国精神医学会の『アプリアドバイザー(App Advisor)』です。
これは、メンタルヘルスの専門家や患者がさまざまなアプリの品質を評価するのに役立つ評価システムです。
【以下のリンクより引用】
Online Programs, Phone Apps Can Help Treat Depression
Healthday
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