アメリカの専門家が言うレース当日の薬剤と競走馬の故障に関連はなし
専門家は、現時点で科学的にフロセミド薬とレース中の故障に関与しているかもしれない筋肉や骨格の問題への結び付きはないと言います。
フロセミドは北米の競馬業界では広く使用されていますが、他のすべての国ではレース当日の使用は禁止されています。
米国とカナダでは、多くの競走馬に、肺への出血の危険性を減らすために、レースの数時間前にフロセミドを与えられています。
しかし、それには利尿作用があるため薬が競走時の性能を高めるかもしれないという証拠があるため、物議を醸す治療法です。
馬は投薬後数時間で大量の尿を放出するので、より軽い体重で競走することができます。
その使用について、批評家たちは、この薬が競走馬の出血を減らすのではなく、主にパフォーマンスを向上させるために使われているのではないかと懸念しています。
国際レーシングコミッショナー協会(ARCI)の科学諮問グループは、この薬の使用とレースでの馬の故障との間に関連性はないと述べ、
この問題について言及しました。
同グループは、4月2日の会議でそのメンバーがこの問題について議論したこと、そしてそのような関連性の証拠を示す研究または論文については認識していないことをARCIの薬物検査基準、および実施委員会の会議に伝えました。
この会議に参加した科学諮問グループのメンバーは、スコット・スタンレー博士、ヘザー・キンヒ博士、ジョージ・メイリン博士、シンシア・コール博士、
メアリー・ロビンソン博士、リック・サムス博士、トーマス・トビン博士でした。
「一部の組織や個人側では、現在のウマの福祉政策であるフロセミドの自発的なレース当日の使用は管理下で行われることで許可されているという印象が残りますが、ふたを開けてみると、どういうわけかサンタアニタや他の場所で起こった悲劇的なウマの死に結びついています。」
と、協会の会長である、エド・マーティン氏は述べました。
「ARCIは既存の方針を検討することを決して嫌がっているわけではありません。そのような記述が、我々がまだ分析することができた確かな科学的情報に基づいているかもしれないことを懸念していました。」
「どうやら、それは違うようです。」
「私たちの科学顧問は、この問題を検討し、発生してしまったウマの悲劇に関連する可能性がある新しい情報を調査するように求められました。」
と彼は述べました。
2011年、協会内の2人の役員がレース当日のフロセミド治療についての段階的廃止を求めましたが、この問題に関する業界の議論が再燃しました。
薬物検査基準・業務委員会は既存の方針の見直しを行い、公聴会を開催しました。
ミシガン州立大学の獣医医療センター(MSU)の
統合毒物学センターのエドワード・ロビンソン博士を含む、さまざまな専門家から意見が寄せられました。
ロビンソン博士は動物の肺の機能障害、特にウマの気道疾患の研究においての第一人者です。
彼は馬の気道の病気を研究することに専念しているMSUの『馬の肺研究所』を指導しています。
その見直しの終了後、委員会は現在の方針への変更を正当化するのにまだ十分、科学的ではないと決定しました。
協会の現在のフロセミド政策の理論的根拠は、「馬における運動誘発性肺出血」と題された独立系アメリカ獣医内科医学会からの2014年の
合意声明により強化されています。
【以下のウェブサイトより引用】