アメリカの田舎ではアルツハイマー病による死亡は一般的だ
2021年7月30日(ヘルスディニュース)- アルツハイマー病による死亡率は米国の農村部で特に高く、予備調査によると、伝統的に医療サービスが行き届いていない地域への必要性が浮き彫りになっています。
研究者は、過去20年間で、南東部の農村地域でアルツハイマー病による死亡率が最も高く、10万人あたり274人であることを発見しました。
これは、数が最も少なかった中部大西洋岸地域の都市部で見られる死亡率の約2倍です。
アトランタにあるエモリー大学の主任研究員であるアンバー・クルシュレシュタ博士によると、この研究では理由を特定することはできなかったものの可能性は高いようです。
「他の病気でも農村地域ではより大きな負担となっていることが分かっています。」
と彼は説明しました。
南東部は、脳卒中の発生率が高いことや、心不全などの他の心血管疾患があることから、米国の「脳卒中ベルト」として長い間知られているとクルシュレシュタ博士は述べています。
そして、これらの状態は、アルツハイマー病や他の形態の認知症での危険因子です。
農村部での医療機関へののアクセスの悪さも問題だとクルシュレシュタ博士は述べました。
これは、1つには、この地域の人々は病気の初期段階で認知症検査を受けたり、専門医の治療を受ける可能性が低いことを示しています。
クルシュレシュタ博士は、今週デンバーで開催された全米アルツハイマー協会の年次総会で調査結果を発表しました。
会議で発表された研究は、査読付きのジャーナルに発表されるまで、一般的に予備的なものと見なされます。
アルツハイマー病協会によると、600万人以上のアメリカ人がアルツハイマー病であると推定されています。
この数は今後30年間で約2倍になることが予想されています。
農村地域が不均衡に影響を受けているかどうかを確認するために、クルシュレシュタ博士のチームは、連邦政府の国立衛生統計センターからのデータを使用しました。
彼らは、さまざまな地域でのアルツハイマー病による死亡を都市レベルに応じて調査しました。
研究によると、全体的に脳疾患による死亡は1999年から2019年の間に88%増加しました。
中部大西洋岸とニューイングランド地域は最低の割合を維持しましたが、南東部は研究期間のほとんどの期間で最高でした。
一方、大都市は農村部よりも死亡率が低いことが分かっています。
これらの格差は時間の経過とともに増加の一途をたどることが研究で分かりました。
アルツハイマー協会の科学プログラムとアウトリーチを指揮するクレア・セクストン博士は、心臓病は、社会的および経済的格差、そして医療機関へのアクセスの悪さとともに、地方と都市の格差の一因となる可能性があることに同意しています。
彼女はそれがすべて重要な問題を強調していると述べました。
認知症の人々とその家族では、在宅医療、デイケアセンターやサポートグループのようなサービスを必要としています。
しかし、そういったサービスを地方の農村部で受けることは困難です。
クルシュレシュタ博士も同様に次のように述べました。
「私たちは、サービスの行き届いていないコミュニティ、特に農村地域に住むコミュニティのために、このようなサービスをより多く提唱していく必要があります。」
何ができるかの例として、クルシュレシュタ博士は、エモリー大学と共同で開発されたジョージア州の州のプログラムについて説明しました。
目標は、認知症を適切に検出できるように医師を訓練することによって、認知症の早期診断およびケアサービスを拡大することです。
セクストン博士はまた、パンデミックからの教訓を引用しました。
医療サービスは必ずしも対面である必要はなく、特定の種類のサポートは遠隔医療を介して提供されることもできるのです。
理想的には、認知症のいくつかの症例は遅らせるか予防することができます。
老化については何もできないとクルシュレシュタ博士は述べましたが、人々は運動、食事の選択、そして禁煙を行うことで心臓の健康も含めた全体的な健康状態を改善することができ、それは最終的に脳へもプラスの影響をもたらすことができます。
「ライフスタイルの変化と予防に重点を置くことは、依然としてアルツハイマー病に対しては、強力な方法となります。」
とクルシュレシュタ博士は述べました。
【以下のリンクより引用】
Deaths From Alzheimer's Far More Common in Rural America
Healthday
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