アメリカ人はさらに多くの時間を座って過ごしていると研究が報告
2019年7月26日(HealthDay News) - 米国は近年、カウチポテト族を大量に生み出していると新しい研究は報告しています。
2008年に『アメリカ人のための連邦身体活動ガイドライン』が最初に発表されてからも、人々が座って過ごす時間は実際には増加したことを研究者らは見つけました。
「過去10年間、身体活動のレベルに大きな変化はありませんでしたが、座っている時間が大幅に増加しました。」
と主任研究員のウェイ・バオ博士は述べました。彼は、アイオワシティにあるアイオワ大学の疫学助教授です。
JAMAオンライン版で7月26日に発表された研究によれば、その結果、十分な有酸素運動を得られなかった人の割合、そして、1日6時間以上も座っていた人々の割合は、2007年から2016年の間に16%から19%近くに上昇しました。
活動的でないライフスタイルは、多くの慢性疾患に関連しています。
米国の保健社会福祉省によると、座って過ごす時間が多いと、肥満、心臓病、高血圧、脳卒中、高コレステロール、2型糖尿病、骨粗鬆症、鬱病、不安、さらには特定の癌までのリスクが高まります。
このため、連邦保健当局は活動ガイドラインを発表しました。このガイドラインでは、成人は週に少なくとも150分の中程度から強度の運動、または週に75分の激しい運動を行うことが推奨されています。
適度な強度の活動には、芝刈り、テニス、のんびりとサイクリング、活発な散歩、掃除機をかけたりモップがけをしたり、窓の掃除などの労働力の必要な家事をすることなどが含まれます。
激しい運動には、ジョギング、自転車の早漕ぎ、バスケットボールやサッカーをする、どぶの汚れをすくい上げたりまたは重い荷物を運ぶことなどがあります。
何人のアメリカ人がこれらの勧告を実行しているのかを確認するために、バオ博士のチームはアメリカの成人と子供の間の健康傾向を追跡する、一連の連邦調査からのデータをレビューしました。
調査によると、座って過ごした時間は2007年から2008年での1日5.7時間から2015年から2016年の1日6.4時間に増加しました。
座りがちでいることの増加は、米国の人口のほぼすべての主要なサブグループで見られたと研究著者らは述べています。
同時に、アメリカ人の身体活動には実質的な変化はありませんでした。
調査によると、有酸素活動のガイドラインを満たしていたのは、2007年から2008年にかけて63%だったのに対して、2015年から2016年にかけては約65%でした。
アメリカでの生活は快適に過ごせるように設計されているため、人々は立ち上がって活動するより、落ち着いてリラックスする傾向があるのは当然のことだとバオ博士は述べました。
「これはアメリカのように利便性社会である現代社会では自然な現象になるでしょう。」
「座るということは人間にとって自然な願望だと思います。人々が仕事で疲れて家に帰ったら、まず最初にソファに横になってさらに2時間テレビを見たいと思うものです。」
レキシントンにあるケンタッキー大学公衆衛生大学の学部長、ドナ・アーネット氏は、アメリカでは仕事で体を使う事も少なくなっていると述べました。
「職業的エネルギー消費から身体活動を見ると、過去30年から40年の間に劇的に減少しています。」
「私たちの仕事はより自動化されています。仕事中の身体活動は、昔よりはるかに少ないのです。」
職場や家庭でのスクリーンの普及はあまり役に立たないと彼女は付け加えました。
「私たちの生活の中の自動化は、家庭でも職場でも、スマホなどスクリーン時間の使用の増加に関連している可能性があります。人々は、数時間でも、自分のスマホで調べたり自分パソコンで作業する時間を増やしています。」
それでは、なぜ身体活動ガイドラインにより刺激されるようになっていないのでしょうか。
それは、人々が単にそのガイドラインについて知らないということが考えられます。
2009年の調査ではガイドラインを知っていると答えたアメリカ人は3人に1人にすぎず、ガイドラインが推奨するものを言うことができるひとは1%未満であると研究者らは背景のメモ書きにおいて述べました。
バオ博士は、「この情報を伝え、座りがちにさせないためにもっと努力をするべきです。」と提案しました。
スマート技術も役に立つかもしれないとアーネット氏は言います。
『 Fitbits』や『Apple Watches』などのデバイスは、着用している人に対して定期的に起き上がり動くように促すようにプログラムがされています。
援助活動も重要かもしれません。アーネット氏は、誰かがネットフリックスを見ている時にAmerican Heart Associationからの広告が現れ、視聴者に休憩を取るように促されたら、起き上がって動き回るだろうと述べました。
【以下のウェブサイトより引用】