アルツハイマー病のサブタイプと相関する様々な種類の原線維形成
米国の国立衛生研究所および英国のユニバーシティカレッジロンドン神経研究所の研究者のチームは、脳内の原線維形成タイプと
アルツハイマー病のサブタイプとの間の相関関係の可能性について言及しています。
『 Nature』誌に掲載された彼らの論文の中で、研究チームは、死亡したアルツハイマー病患者の脳の調査、
およびアミロイドベータペプチド沈着を進行タイプと比較することによって、これらの発見を説明しています。
アルツハイマー病の物理的な特徴の1つは、脳組織におけるアミロイドベータペプチドの沈着物が発生することであり、
それは原線維の生成をもたらします。
以前の研究では、患者におけるそのような原線維が、サブタイプが識別される程度に、人々の間で形状や大きさが異なる場合があることが
示されていました。
この新たな試みの中で、研究者らは、特定のサブタイプが特定の種類の疾患の進行、この場合は急速に進行する、
後部皮質の萎縮に関連するかどうかを調べました。
さらに研究を進め、研究者らは18人のアルツハイマー病患者から37個の脳サンプルを得て、そのうちの何人かには典型的な症状、
また、何人かは急速な進行を伴い、また、何人かには後部皮質の萎縮が見られました。
そしてそれぞれのタイプの原線維の種類を固体NMR分光法を使用し比較しました。
それは、非常に労働集約的な、年間にわたるプロセスでしたが、サンプル数は少量でした。
各個体を比較したところ、彼らは典型的な症状を持つ患者と後部皮質萎縮症を持つ患者では、
彼らの脳で同様の原線維形成を持っていたのに対して、急速に進行するアルツハイマー病の患者は、
典型的な症状を持つ患者とは異なった症状があっただけでなく、同じ進行状態の患者間でもそれは異なっていました。
研究者らは、彼らの調査結果が、原線維サブタイプがアルツハイマー病患者の進行型と相関しうること、
および原線維形成に関与するさまざまな過程がありうることを示唆していると述べています。
しかしながら、彼らはその違いの原因となるメカニズムがまだわかっていないことを指摘しています。
彼らはまた、アルツハイマー病のサブタイプについてより多くの見識が得られるように、特定の種類の原線維形成を標的とする、
新しい、カスタマイズされた診断テスト、および治療法を開発することができると示唆しています。
【以下のウェブサイトより引用】