アルツハイマー病はなぜ女性の方が多いのか
2019年7月17日(HealthDay News) - アルツハイマー病の発生率は男性より女性のほうが高く、研究者らはその理由を調査しました。
アメリカ・テネシー州ナッシュビルにあるヴァンダービルト大学メディカルセンター(Vanderbilt University
Medical Center)の研究チームは、
アルツハイマー病関連タンパク質のタウが脳内でどのように広がるかに性差があることを確認しました。
研究によると、タウは感染症のように脳全体に広がっています。
ニューロンからニューロンへと移動し、他のタンパク質を異常なもつれへと変化させ、
それが脳細胞死をもたらすことが示されています。
この研究では、研究者らは、健常者および軽度の認知障害を持つ患者のポジトロン断層法(PET)で撮影されたスキャンデータを使用して、
タウがどのように広がるかのグラフ分析を行いました。
「犯罪発生後に犯罪現場を再構築するようなものです。それが発生した時にはそこにあなたはいませんでしたが、犯人が家に入った場所と
次に入る部屋を判断できます。」
と当大学の精神医学および行動科学科の助教授であり、主任研究員であるセピ・ショコウヒ博士は述べました。
「グラフ分析は、タウがある領域から別の領域にどのように広がっているかを示すのと似たような動きをしています。」
研究者らは、タウネットワークの構造は男性と女性で異なり、女性は脳のさまざまな領域をつなぐ「架橋領域」に多数あることを見つけました。
これは、タウが脳領域間でより容易に広がることを可能にし、それが蓄積する速度を増加させ、そのために、女性の方がアルツハイマー病の
危険にさらされることが大きいと研究者らは理論付けました。
この研究は火曜日にロサンゼルスで開催された『Alzheimer's Association International
Conference(国際アルツハイマー病会議)』で発表されました。
会議で発表されたデータは通常、査読付きの医学雑誌に発表されるまでは予備的なものと見なされます。
女性にタウの蔓延が加速することを確認するためには、さらなる研究が必要です。
研究者によると、それが証明されるならば、性別特有のアプローチがアルツハイマー病を予防するために必要とされるかもしれません。
これには、早期の治療、ライフスタイルの介入、そして、あるいは、記憶を思い起こすための手助けなどがあります。
ショコウヒ博士は次のように述べています。
「異なる生物学的プロセスが私たちの記憶にどのように影響するかを理解することは本当に重要な課題です。」
【以下のウェブサイトより引用】