アルツハイマー病リスクの高と前立腺癌のホルモン治療が関連か?
2019年7月8日(HealthDay News) - 男性が前立腺癌と診断された直後では、癌の成長を促進するテストステロンのレベルを低下させる治療薬が処方されることが多いものです。
しかし、新しい研究では、この治療法が、アルツハイマー病や他の認知症に対する望ましくない副作用を持つ可能性があることを示唆しています。
研究の著者であるラヴィシャンカル・ジャヤデバッパ博士は次のように述べています。
「我々の結果は、臨床医がホルモン療法を長期で行うことの潜在的な認知効果についての意識を高め、これらの危険性を彼らの患者と議論する必要があるということを示しています。」
ジャヤデバッパ氏は、アメリカ、フィラデルフィアにあるペンシルベニア大学のペレルマン医学部の准教授です。
ある専門家は、それが厄介な問題を提起すると述べました。
ニューヨークのレノックスヒル病院の泌尿器科専門医であるエリザベス・カバラー博士は、次のように述べています。
「私たちのほとんどは、癌になるのと同じくらいアルツハイマー病になるのを恐れています。」
「研究がひとつの疾患で衰弱している患者にまた別の恐れを植え付けるものです。」
しかし、アンドロゲン枯渇療法と呼ばれる治療法は、前立腺癌の多くの症例にとって依然として「鉄板治療」である、とカバラー博士は述べています。
そのため新しい研究報告は患者とその医師にとって「難しい意思決定」を意味する、と彼女は言います。
新しい研究で、ジャヤデバッパ博士のグループは、1996年から2003年の間に診断された154,000人以上の前立腺癌患者に関する米国国立癌研究所のデータを検証しました。
前立腺がんの診断後2年以内に約62,000人がホルモン除去療法を受けましたが、約92,000人は受けませんでした。
合計して、治療を受けた男性の13%が8年間の追跡調査でアルツハイマー病を発症したのに対し、治療を受けなかった男性では9%だったと同研究は見出しています。
研究者によると、男性におけるアルツハイマー病の生涯罹患率は一般に約12%です。
研究チームがすべての型の認知症の診断を調べたところ、ホルモン療法を受けたことがない人の16%に対して、治療を受けたことがある人の22%がそのような診断を受けました。
ジャヤデバッパ博士のチームは、以前の小規模な研究でも同様の傾向が見られたと述べました。
「しかし、私たちの知る限りでは、これはこの関連を調べた研究の中では最大のものの一つであり、本研究では前立腺癌の診断後、平均8年間患者を追跡しました。」
と彼は大学のニュースリリースで述べています。
研究者らが述べたように、アンドロゲン除去療法は前立腺癌の進行を遅らせる有効な手段です。
しかし、現在は通常、進行した病気の場合、または腫瘍の再発の可能性が高い場合にのみ使用されています。
この治療法には、性機能障害、骨や心血管の健康への潜在的な害など、他の有害な副作用もあります。
この研究はまた、ホルモン治療と認知症の可能性の上昇との間の関連性を指摘することしかできず、原因と結果を証明することはできていません。
しかしジャヤデバッパ博士のチームは、患者の年齢、他の病状の存在および前立腺癌の重症度のような他の要因についても説明しています。
マリア・トレラ・カーニー博士は、ニューヨーク州ニューハイドパークにあるNorthwell Healthの老人瞑想および緩和医療の責任者です。
カーニー博士は、この研究では原因と結果を証明できておらず、他の要因が認知症のリスクが高い原因となる可能性があると強調しました。
ホルモン療法を受けている男性は、「より高齢で、より重症であり、より進行した前立腺癌を患っている」傾向がありました。
さらに、この研究では、治療を受けた男性がそうでなかった男性よりも長生きしたかどうかは明らかにされていません。
彼らが長生きすれば、認知症の可能性もまた時間とともに増加するだろうとカーニー博士は説明しました。
研究共同執筆者のトーマス・グッツォ博士は、この研究だけに基づいて前立腺癌の治療について決定的な決定を下すべきではないことには同意しました。
「私たちはこれらの患者を個々のレベルで見る必要があると思います。」
と、ペンシルバニア大学の泌尿器科の責任者であるグッツォ博士は言います。
「確かに、ホルモン療法を必要とし、それから大いに恩恵を受ける患者がいます。」
「証拠がそれほど明確ではない場合もありますが、これらの患者ではホルモン療法のリスクと前立腺癌の治療の利点を考慮する必要があります。
これは患者との共通の意思決定プロセスであるべきです。」
この研究は7月3日にJAMA
Network Openのオンライン版に掲載されました。
【以下のウェブサイトより引用】